漆黒の禍狗はパパになったようです

お宮参り 2 ページ31

「ふふ、治春ちゃん、よかったね。」

桃色のワンピースを着たAも、愛娘のご機嫌な様子に頬笑む。

「嗚呼、そうだな。尾崎幹部、本日は本当に有難うございます」

赤ん坊の父である龍之介も、今日は何時の黒外套ではなく、真新しいダークスーツを纏っていた。

「何、気にするで無い。其に、礼を云うのは私(わっち)の方じゃ。お前達には、本当に感謝しておる、こんなに愛い治春を産んでくれた事を。」

紅葉は美しく、優しく笑むと腕の中の治春を優しく揺する。『愛』を嫌っていた彼女が、此の様な笑みを浮かべる事が出来るようになったのも、此の赤ん坊が一役買っているのだろう。

否、紅葉だけで無く、治春は確実にマフィアに変化をもたらしていた。

Aが身篭った事がわかった時、そして治春が生まれた時、首領や中原幹部と尾崎幹部、遊撃隊の皆から黒蜥蜴迄、皆が喜び、祝福してくれた。

其からも、治春の為に皆服や玩具、絵本など様々な物を与えてくれたり、初めての子育てに慣れない二人を何かと手伝ってくれたりしている。

治春は、ヨコハマの暗部其の物であるマフィアの癒しであり、光の様な存在になっていた。

「有難うございます、姐様」

Aは頬笑み、紅葉に礼を云った。

こんなに素敵な人達に囲まれて、龍之介も、私も、治春も、何て幸せ何だろう。

どうか此の幸せが、これからもずっと続きますように。

そう願う皆を包む、5月の穏やかな空気。

皆が幸せそうに笑う、そんな1日だった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
リクエスト、感想等お待ちしてます。

(ネタが無いのです…)

2020.11.28
皆さんお久しぶりです。
更新出来ず申し訳ありません。
本誌…見ました…ｺﾛｼﾃ…ｺﾛｼﾃ…

ご無沙汰してます。作者です→←お宮参り 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す