第二話 捜索 ページ2
「亡者が脱走しました!!」
血相を変えて1人の獄卒が報告をする
「何ですって」
一体どこのどいつが亡者を取り逃した?
と思いましたが一先ずそれは置いておいて後で絞めます
獄卒に落ち着く様促すと状況説明をしてもらいました
「いつもは大人しく刑罰を受けてる奴だったんですが今日は突然獄卒の拷問道具を奪い、あまつさえそれを武器に鬼達に反抗しながら逃げ出してしまい…」
状況説明を受けて先ずその亡者の逃走経路を潰す為に部署を閉鎖し手の空いている獄卒は亡者の追跡に向かうこと
不喜処の動物達による匂いの痕跡を追うなどの捜索を開始させました
「それにしても逃げるなんてよく考えるな…」
「地獄での逃亡は勿論元の刑に加え、罪が加算され更に刑罰は厳しいものになりますね」
「よっぽど逃げるのを堪えてたんだろうなぁ…それが今回実行に移したのかも」
「とりあえず今は見つけることに専念しよう!」
シロさんも亡者の匂いを嗅ぎながら捜索へと一層気合を入れているようでした
すると暫くして亡者の匂いが濃くなったとシロさんにより亡者の居場所が判明し、直ちにその場へ向かいました
「あの岩場の近くだよ!!逃げた亡者の匂いがする!!」
岩場付近に差し掛かった時、不意に妙な気配を感じ取った
念の為にと金棒を構える
私の様子に気づいたシロさん、ルリオさん、柿助さんも足を止める
御三方が「どうしたのか」と声を掛けるか掛けないかの一瞬の隙に突然、物凄いスピードで亡者がこちらに吹っ飛んできた
「うわあああ!!?」
御三方は驚いて岩場の影に一瞬身を引いた
とても素早い良い判断です
私は飛んできた亡者目掛けて思いっきり金棒を振りかざしましたが
「ぎゃああああ!!!!」
顔面に思いっきり金棒が叩きつけられ、逃亡していた亡者はその場に倒れ伏せる
「なんで飛んできたんだろう……」
「何かに逃げてる風にも見えたが……」
柿助さんルリオさんが倒れた亡者を覗き込む
その瞬間
「御三方、下がっていてください!!」
叫ぶが早いか否か。突然金棒目掛けて大きい番傘が吹っ飛んでくる
御三方は再び岩場に隠れる
金棒で傘を薙ぎ払ったと同時に何者かが私の両腕をがっしりと掴んできた
土煙が舞う中、相手の正体を突き止める為じっと目を凝らす
するとそこには見覚えのある御方が私の両腕を掴み、立ち塞がっていた
「だから言ったでしょ。次は絶対に逃がしてあげないって」
。
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