大人になったらお嫁にしてね (ページ2)

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1." 平凡 "離脱宣言ページ2

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私は平凡だと思う。

家庭環境が歪んでいるわけでもなく、人間関係も良好に保てていて友達もいる。勉強も出来がいい訳では無いが、悪い方でもない。

でも、そんな自分でも、嫌気がさしてしまうことが多々ある。

そんな時気晴らしに見ていたのが、アニメだった。

『俺がいれば、お前は最強だ』

力強い声がイヤホン越しに響く。
声優さんってすごいんだなあ、と、感心しながら画面をじっと見つめていた。

「明日早いんだから、もう寝なさい」

片方のイヤホンを取られ、そう話しかけられる。

「おやすみなさい」

イヤホンを外し、言われた通りに部屋へ向かうとベッドに身を投げた。

"平凡" をやめたい。

"非日常" がほしい。

そう、まさにこんな、アニメのような。

でも残念ながら運動は得意ではないし、なんならできるだけ動きたくはない。
中学の時も文化部に入っていたし、今からやるにしては無謀だ。

また、スマホにイヤホンを差し込むと音楽をかけ、目を閉じる。

食パン咥えて走ってたらイケメンとぶつかっちゃったりして、そのまま恋が始まったりしないかな

ないない。アニメじゃあるまい。

つい自問自答する。

でも、それいいな
明日は食パンでも咥えてみよう

明日のことを考えると少し笑けてきて、笑みを零してしまう。

音楽をつけ始めて3曲目がかかったところで、ふわは深い眠りについていった。