【HP短編集】ごちゃまぜ (ページ27)

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兄と妹：リーマスページ27

女性主人公
近親での恋愛を含みます
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｢狼人間なのは私たち同じじゃない、｣

｢…、そうだけど｣

｢なのにリーマスだけ貧しい生活をするなんて
兄妹なのに、同じ狼人間なのに！｣

｢……｣

リーマスは一人で安いアパートに住み続けると言う
私は知り合いのツテで狼人間でも理解してくれる店で働くことになった。その店長が家を用意してくれるから、兄であるリーマスも一緒にどうだって言ったら｢僕は恵まれた生活をする権利がない｣って拒否されて、私はそれが分からなかった。

｢リーマスが行かないなら仕事断るけど｣

｢ダメだよ！｣

｢なら、リーマスは一緒に住んでよ！
嫌な理由があるの？彼女がいるなら＿＿＿｣

｢違う！！僕はA以上に大切な人はいない！｣

｢……なら、一緒にいてよ、お願い。｣

リーマスは真っ直ぐ私を見つめながら拳を握り締める。
奥歯をかみ締めて言いたいことを我慢するようなリーマス。何を思っているのか私は分からない。

｢一緒にいたら、我慢できなくなる。｣

｢なにを｣

｢……、｣

｢狼が冬は繁殖期だから？｣

｢………｣

｢なんで、なんでいつも隠すの
リーマスは私に苦しいこともつらいことも自分に話せばいいって言うくせに私には何も言わないじゃない。妹だから？私が頼りないから、信頼できないからなの？｣

｢…Aが好きなんだ、｣

｢好き？｣

｢妹なのに、妹を一人の女性として好きになってしまったから、もう…｣

リーマスの目線が床に落ちる。Aの足元しか目に映らない。彼女の表情も分からない。
Aはリーマスの手に手を伸ばした。だがリーマスは身を引く

｢リーマス、｣

｢同情はいらないんだ、｣

｢話を聞いて、お願い。少しでいい｣

リーマスはちらりと視線をあげるが、また視線を下げた。

｢私もリーマスを愛してる。どんな人よりもずっと
あなたの為なら死んでもいい｣

｢…ぇ｣

｢家族でおかしいと思う、けれど、貴方が誰よりも好きだわ｣

｢…つ、つまり｣

｢リーマスと同じよ。｣

Aが触れようと手を伸ばした。
遠慮がちに伸ばされたその手にリーマスはカサついた手を重ねる。

｢嘘みたいだ｣

｢えぇ、｣

｢…いい、？｣

｢いいよ｣

リーマスはAの頬に手を添えると優しく唇を重ねた。

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