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Nサイド
試合の当日は、梅雨など関係ないと叫んでいるような晴天だった。
6月らしいどこか霞んだ水色で、少しもわっと生暖かい空気が頬に啜りつくようだ。
問題の河川敷に向かうと、もう既にチンピラらしき人たちが集まっていて
白尾くんたちは避けるように、グランドの隅で黙々と道具の準備をしていた。
俺たちに気づいた江波戸くんが、おずおずと駆け寄ってくる。
「こんにちは。あの、ご協力いただいてありがとうございます」
「いえいえ、正式な依頼として承ったんですから当然ですよ。それに俺も野球やってたから、個人的に楽しみにしてるんです」
グローブの入った袋をぽんぽんと叩くと、江波戸くんは少しほっとしたように笑った。
「監督さんは？」
「あそこです」
江波戸くんが指差した先には、川辺をじっと眺める猫背姿がひとつあった。
相葉さんと潤くんと一緒に挨拶に向かう。
「こんにちは」
「！ ……どうも」
ぱっと顔を上げたその人は、思っていたよりもずっと若かった。生徒たちと同じユニホームを着たその姿は高校生にも見える。
「田茂青志です。ご協力感謝します」
脱帽してぴしっと頭を下げるしぐさは見た目よりずっと大人で、『監督』の肩書をしっかりと背負っているみたいだ。
試合に出る俺と潤くんと相葉さんも挨拶をしたところで、田茂監督はふっと、向こうで白尾くん達と談笑している翔ちゃんと大野さんに目をやった。
「……あそこのお二人は？」
「うちの店長と職員です。野球に関してはルールも危ういくらいだから、今回は応援で」
「そうですか」
ところで、と田茂監督がポケットから出したのは、手書きのメンバー表だ。
複数の欄のうち三つだけが埋められたそれをひらひらと振って、苦そうな顔をしてみせる。
「今日出られるのは、3年の江波戸と白尾、あと2年の樫山だけです。他は予定が入ってるだのチンピラが怖いだので……お恥ずかしい限りです」
監督は心底腹立たしい、と言いたげな顔をしていた。
大人の振る舞いの中に小さな若さを見つけたような気がして、ちょっとだけ笑ってしまう。
「それで、問題はポジションなんですが……この三人の中でピッチャー経験のある奴がいないんです」
ぴこん。
監督の言葉に、俺の中でセンサーが反応するように、俺はにやっと笑った。
「……それなら心配ご無用です」
朝から顔が強張っている彼の肩を、がっしりと掴む。
大丈夫、できるよ。
「ここにいますよ。優秀なのが」
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花櫻(プロフ) - ゆいさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！(*^^*) これから少しずつ、5人の過去と繋がりを明らかにしていく予定です(にやり) 更新はゆっくりですが、どうか応援よろしくお願いします！ メリークリスマス！笑 (2016年12月25日 19時) (
レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - ゆいです！花櫻さんに覚えていただけて、光栄です！相葉くんの過去と、翔くんがこれからどんな行動に出るのか、とっても気になります！更新楽しみにしてますね！そして‥‥メリークリスマス(^ ^) (2016年12月25日 9時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ゆいさん» 覚えてますよ〜！笑 コメントありがとうございます(*^^*) 今回のお話の中心は相葉ちゃんです☆ ぜひぜひ楽しみにしていただければ嬉しいです！ (2016年12月18日 21時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 花櫻さん！ゆいです！覚えてますか？（笑）今回もまた愛読者の1人として読ませていただきました！相葉くんにも、いろいろな過去があるようですね‥‥これから5人がどのようにして向き合っていくのか。楽しみにしてますね！！！ (2016年12月18日 19時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - cloverさん» はじめまして！コメントありがとうございます(*^^*) そこまで言っていただけるなんて、とっても嬉しいです…！ 近頃亀更新で本当に焦っていたので、cloverさんの言葉に少し安心しました(´∀｀) 今後もできる限りが 頑張りますので、どうか応援よろしくお願いします！ (2016年11月30日 7時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2016年10月7日 23時
