18：舘さまってセクシー ページ18
*
〈Ryota.M〉
休み時間、勉強してるらしきAを遠目で見ていると頭を抱えてフリーズしだした。
いつもはAに近寄る皆だけど、休み時間には勉強を持ち込まないタイプが多くこういう時はあまり近寄らない。
舘「A、どうしたの？」
邪魔にならないよう机の端にそっと手を置いて問い掛けると、ゆっくりと視線をノートからこちらへと移す。
『１問分からなくて』
やっていたのはさっきの授業で出された宿題。
悩んでいる一問以外は既に終わっている事に驚いた。宿題って家でやるものだよ？
舘「正弦波か……教科違うけど阿部先生に聞いたら教えてくれそうじゃない？」
『たぶんね、宿題は家でやれって言う』
舘「あー…」
『宿題じゃなかったら担当の先生に聞きなさいって言う』
舘「…だね」
Aの隣の席の椅子を借りて座り、横から問題を読ませてもらう。
俺も、そんなに得意ではないからAの教科書を拝借して問題と照らし合わせる。
舘「えーっと…波の式、変数はxとyの２つ」
『うん、２変数関数だからグラフを分けて…』
舘「波がy方向の正の向きに変位か、負の向きに変位するのか考えないと」
『っ！出来そうな気がする』
教科書を捲ると視線を感じたので、読むかと思い差し出す。
自分も考えながら机の上に置いてあったペンを手にして回すと、またしても視線を感じる。
舘「ごめん、気が散っちゃった？」
『ううん、そうじゃない』
待って、と問題に向かい暫くすると晴れやかな表情で顔を上げた。
『自信ないけど出来た！後で阿部ちゃんに見てもらお』
舘「そこは阿部先生なんだ(笑)」
『当ってるか間違ってるかは見てくれると思う！…で！』
舘「ん？」
『はい、回して！』
笑顔でペンを差し出してくるA。
よく解らないけど促されるがままにペンを回す。
じっと手先を見つめられるんだけど…
舘「A？」
『やっぱりしなやか…』
舘「うん？」
『ペン回しも教科書めくる指先も美しくて見とれちゃって』
舘「ふふ、そう？ありがとう」
『〜…っ、その声も！』
照れているようなAの反応に首を傾げて様子を伺う。
『舘さまって仕草も声も何かこう…色気って言うか、セクシーなんだもん…』
消え入りそうなその声に、思わず笑ってしまった。
セクシー、ロイヤル、美しく、がモットーだからね。
そう思ってもらえるのは嬉しいな、って耳元で囁いたら赤面するAは可愛らしい。
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ゆゆ(プロフ) - ささん» けしからん、もっとやれ！状態です(笑)皆は書いてる様子をどう見てたんだろう…← (2019年10月28日 9時) (
レス) id: ac690e68a8 (このIDを非表示/違反報告)
さ - 黒板の相合傘は罪ですね！ (2019年10月28日 2時) (レス) id: 53a7921132 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - ちあきさん» ありがとうございます！読んで頂けて感激です！マイペースではありますが少しでも楽しんで頂ける話が書けたらな、と思います☆ (2019年10月18日 23時) (レス) id: ac690e68a8 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - いつも楽しんで読んでます。早く読みたい気持ちではありますが...ゆゆさんのペースでの更新を気長に待ってます＾＾更新頑張ってください。 (2019年10月18日 23時) (レス) id: 8d08173618 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 阿部ちゃんLoveさん» コメントありがとうございます！ビビッてきたって何だか嬉しいです^^ 楽しんで頂けたら幸せです☆ (2019年9月20日 10時) (レス) id: ac690e68a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ | 作成日時：2019年9月12日 21時
