初☆内番 ページ49
黒田side
日光「まだ収穫できる野菜はないからな。こういう茎と茎の間の目を摘むんだ。あと、株の周りに生えている雑草もだ」
黒田「了解」
日光「・・・ここに来てから、随分と兄妹と仲良くなったようだな」
黒田「そうかな？」
まだ粟田口みたいな仲良しさはないだろうけど。
まぁあそこは人数も多いし。
日光「あぁ。国広の者も、お前を気にかけているようだ」
黒田「そう？日光の時もそうだったんじゃないの？」
人の体に慣れてない私をたくさん支えてくれたなぁ。
日光「俺が顕現したときの山姥切はあそこまで優しくなかった」
黒田「ふーん」
一緒に過ごしたこともないはずなのに・・・嬉しいなぁ。
日光「お前は、好かれているんだな」
ふと、誰かの気配を感じる。
たぶんこれは、彼だな。
黒田「日光だって、南泉に好かれてると思うよ」
日光「そうか？正直怖がられている気がするんだが」
黒田「でも、嫌われてないからついてくるんでしょ」
たぶん嫌いなら全力で避ける。
だって関わりたくないじゃん。
日光「だといいんだが」
黒田「絶対好かれてるって。・・・誰かに何か言われて来たのかは知らないけど、用があって来たんじゃないの？南泉」
南泉「にゃっ！！言うなよ！」
黒田「盗み聞きは悪いよ、南泉」
南泉「人の話聞けよ」
日光「何か用か？」
南泉「うっす。これ、兄貴忘れてたんで」
日光に手拭いを差し出す南泉。
日光「あぁ・・・・・・ありがとう」
南泉の頭を撫でる日光。
南泉「あ、兄貴・・・」
日光「内番の邪魔だ。さっさと戻れ」
ぷいっと南泉に背を向ける日光。
そして、私の視界に何やら葉っぱの上でうごうごしてるモノが入った。
南泉「うっす」
会話は冷たいものだったけど、二人の表情は柔らかかった。
黒田「ね？言ったでしょ」
日光「・・・あぁ」
黒田「喜びを噛み締めてるところ悪いんだけど、コレ、つまんでポイッてしなきゃダメ？」
葉っぱの上でうごうごしてる虫を指差す。
日光「あぁ、そうだな」
黒田「やってくれない？触りたくない」
日光「別に構わないが」
黒田「なるべく遠くにポイしてください」
日光が少しハッとし、私を見る。
さっきの腹いせか、虫を私に近づけてくる。
黒田「うひぃ！やめて！」
日光「以外と触れるものだぞ」
黒田「絶対に無理！あ、待って手ぇ取らないで！」
掌に虫を乗っける日光。
乗った瞬間伝わるあの想像通りの重さと柔らかさ。
畑には、私の絶叫が響きわたった。
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兼さんの耳飾り - 朝桐さん» これからも頑張っていきたいと思います！応援、ありがとうございます！ (12月3日 10時) (
レス) @page47 id: 36ec43f1b9 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 最新話、エモすぎです！！陰ながら応援しています。Fight！です！ (12月2日 7時) (レス) @page46 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年8月21日 21時
