長義様 ページ38
昔の黒田side
カンッカンッと刀を打つ音が聞こえる。
そのようすを、そばで一振りのきれいな刀がながめていた。
黒田「兄様。あの人、だれ？」
兄様は私より数年前に、父様が山伏修行をしているときに打たれた刀だ。
山伏「あの方は、山姥切長義殿だ」
黒田「父様の刀じゃないのに、なんでここにいるの？」
山伏「今、父上が刀を打っているであろう。あれは、山姥切長義殿の写しだ」
黒田「自分のすがたを写すためにここにいるってこと？」
山伏「まぁそういうことである」
長義様はしばらくして、鍛治場を見て回り始めた。
私たちは、その様子を炉の近くで見ていた。
長義「これは・・・」
長義様は、私(刀の方)をじっと見ている。
長義「こんなに細くて大丈夫なのか？・・・そこの付喪、この刀はどちらのものだ」
黒田「わ、私ですっ！」
長義「まぁ、確かに丈夫そうだが、折れやしないのか」
黒田「え、と。いちおう、岩にたたきつけられても折れなかったので、大丈夫です」
長義「凄いな」
山伏「妹は、黒田官兵衛殿に頼まれて作られた刀なのだ。もうそろそろしたら、官兵衛殿に贈られるであろうな」
長義「官兵衛・・・。あぁ、あの足の悪い老将か」
黒田「その官兵衛様の負担にならないように、かるく細く作られているんです」
長義「成る程。あの国広とかいう刀工は中々に腕が立つようだ。それなら、俺も納得できる」
山伏「納得？」
長義「写しとは本来、本歌にとってはありがたくない刀なんだ。どちらが本歌かわからなくなるときもあるし、名を奪われてしまうことだってある。だが、あの刀工に打たれる写しは悪くないだろうな」
長義様は、私たちの頭にぽんっと手をおき、
長義「お前たちも、あの刀工に打たれて良かったな」
そう言った。
父様をほめられて、私たちはうれしくなった。
山伏、黒田「「はい！」」
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兼さんの耳飾り - 朝桐さん» これからも頑張っていきたいと思います！応援、ありがとうございます！ (12月3日 10時) (
レス) @page47 id: 36ec43f1b9 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 最新話、エモすぎです！！陰ながら応援しています。Fight！です！ (12月2日 7時) (レス) @page46 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年8月21日 21時
