検索窓
今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:6,682 hit

第四十九話 〈善逸抜刀騒動〉 ページ12

カタカタと、小さな音がした。鬼の入っているという箱からだ。


「うわっ、うわっえっ?出てこようとしてる!!出てこようとしてる!!」

「大丈夫だ」

「何が大丈夫なの!?ねえ!?ねえ!?」

「しーーーっ、夜中なんだぞ善逸……!」


ドタバタと騒ぎ出した。やはり鬼は怖いらしい善逸。
一方、布団にいる二人は。


「うっせー…」

(なんで挑発に乗らねえんだ。飯取られたのに…。
何回かアイツ怒ってたの、何だったけ?忘れた………)


寝るに寝られない紅緒と、緋音との勝負どころか、鬼のことなどすっかり忘れている伊之助だった。

ギィ…、と箱の扉が開く。


「キャーーーーッ、鍵かかってないんかい!!」

「しーーーっ」


炭治郎が注意するが、あまり意味を成していない様子。
格好良く伊之助から箱を守ったのに、この姿はどうなんだ。


「まままま守って!!俺を守って!!」


紅緒を頼りたかったが、外界の音の全てを遮断するように布団に潜っているため、望みは薄い。


「伊之助でもいいから」

「こっち来んな!!」

「ギャウッ!!」


伊之助に顔を蹴られた。
緋音はどうしたらいいかわからず、オロオロしている。

箱から鬼が出てくる。
ひょこっと箱から出てきたのは、幼い少女の、竹を噛んだ鬼。


「ヘ?」

「禰豆子」


禰豆子と呼ばれた少女は、徐々に大きく、緋音と変わらぬほどの身長になった。

それを見て、善逸は衝撃を受けていた。
緋音は、「竈門さんにとても似てますね」と、炭治郎と話している。
紅緒と伊之助は寝ている。


「禰豆子は俺の………」

「炭治郎」


善逸がさっきとは違い、低い声で炭治郎を呼ぶ。


「お前…いいご身分だな………!!!」

「えっ?」

「こんな可愛い女の子連れてたのか…。
こんな可愛い女の子連れて毎日、うきうきうきうき旅してたんだな…。

俺の流した血を返せよ!!!
俺は!!俺はな!!お前が毎日アハハのウフフで女の子とイチャつくために頑張ったわけじゃない!!そんなことのために俺は変な猪に殴られ蹴られたのか!?」


善逸は、何か大きな勘違いをしているらしい。
誤解を解く暇も無く善逸が騒ぐものだから、どうもできない。


「善逸落ち着け、どうしたんだ急に…」

「鬼殺隊はなぁ!!お遊び気分で入る所じゃねえ!!お前のような奴は粛正だよ、即粛正!!
鬼殺隊を!!舐めるんじゃねぇぇぇ!!」


抜刀した善逸が炭治郎を追いかけ回す。
善逸の叫びは夜明けまで止むことがなかった。

番外編 名前で呼んで→←第四十八話 〈緋音ちゃんって凄いね by善逸〉



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢石榴(プロフ) - 星飼いさん» 久しぶりです。かわいい双子コンビ。書いてて楽しいです。頑張ります (2020年10月25日 20時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
星飼い(プロフ) - 久しぶりだ―!!嬉しい。やっぱ白黒ちゃん好きだなぁ。頑張って下さい! (2020年10月25日 20時) (レス) id: 95c1335c47 (このIDを非表示/違反報告)
夢石榴(プロフ) - みるくストロベリーさん» ありがとうございます!!面白いと言って頂けて嬉しいです!!頑張ります!! (2020年7月28日 16時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
みるくストロベリー - とっても面白い!!これからも頑張ってください、応援してます!! (2020年7月28日 6時) (レス) id: 9d5389f299 (このIDを非表示/違反報告)
夢石榴(プロフ) - 星飼いさん» アドバイスありがとうございます。なんか考えてた日々が懐かしい。頑張ります! (2020年6月27日 21時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢石榴 | 作成日時:2020年2月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。