月の少女は口数が少ない その伍

196話 ページ4

スリスリと擦り寄ってくる鴉の頭を撫でていると突然炭治郎が思い出した！と声を上げた



「夢だ！俺あの人を夢で見た！！」



『え…』



炭治郎もあの人の夢を？



「ハアア？馬ッ鹿ジャナイノアンタ。コノ里ニ来タコトアンノ？非現実的スギテ笑エルワ。戦国時代ノ武士ト知リ合イナワケ？アンタ何歳ヨ？」



ケッっと嘲笑う鴉に炭治郎は口を閉じ黙り混む



このままじゃ炭治郎落ち込んじゃう



『私も見たよ』



「Σエッ！？ 」



「前のAも見たのか！？」



『うん…炭治郎と似てる顔の人と話してる夢を見た』



「ソ、ソンナノ偶然ヨ！偶然！！」



「それってもしかして記憶の遺伝じゃないですか？」



「記憶の遺伝？」



「うちの里ではよく言われることです。“受け継がれていくのは姿形だけではない。生き物は記憶も遺伝する“」



「初めて刀を作る時同じ場面を見た記憶があったり経験してないはずの出来事に覚えがあったりそういうものを記憶の遺伝と呼びます。あなた達が見た夢はきっとご先祖様の記憶なんですよ！」



『なるほど…』



確かにそれだと炭治郎に顔が似てたのも納得する



「非現実的！非ィィィ現実的ィ！！」



「教えてくれてありがとう。俺は炭治郎。こっちは妹のAだ。君の名前は？」



「俺は小鉄です。意地の悪い雌鴉なんて相手にしなくていいですよ」



「何デスッテェェ！！」



小鉄くんもしかして口悪い…？

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