町山交番の天使 ３ 【ハコヅメ】

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伊賀崎「よし、じゃあ片付けよう」


『はい』


川合「私、旗、とってきます！」


「返して！」


「もう…！」


あれ？減速しない


え、車の運転手、子供いるの気づいてない…？


気づけ！気づけ！


ﾋﾟｰ‼︎


藤「川合！！！」


『川合っ…！！！』


伊賀崎「川合君！！」


藤「川合、大丈夫？！」


川合「あぁ、大丈夫です…」


伊賀崎「川合君、動かないで！」


藤「町山交番前で人身事故、大至急、救急車をお願いします」


『降りてください。』


「すみません、一瞬カーナビの…」


『一瞬って…！！！あなた、一瞬でも目を瞑って車、運転できるんですか！！！車って鉄の塊なんですよ？！！この！！拳銃なんかより、よっぽど殺 傷能力が高いんです！緊張感を持ってくださいっ！！』


真白さん、あんな大声で…


藤「人身事故の処理をします。」


伊賀崎「免許証、出して。早く！」



・



源「聖子ちゃん、Aちゃん。お疲れ様。」


藤「お疲れ」


『お疲れ様です』


源「山田の異動の件、無くなったわ。捜一残留だって」


藤「何それ」


『まったく、人騒がせなやつですね』


源「ホントだよ。はい、コーヒー。Aちゃんはカフェオレな」


『ありがとうございます。カフェオレ好きなの覚えててくれたんですね』


源「刑事課時代にあんだけ奢らされたら嫌でも覚えるでしょ」


『あはは、すみません…』


源「…そっちも大変だったみたいだね」


藤「うん…でも、もう大丈夫。ハコ長から連絡あった。川合、大したことなかったって」


源「そっか。」


『でも、びっくりしましたよね。川合、死 んじゃったかと思いました。』


藤「私も。…ああいう時って本当にスローモーションに見えるんだね。川合の顔がよく見えた。あぁ、川合は今逃げない覚悟を決めたなって分かった」


源「聖子ちゃんとAちゃんのスパルタ教育の賜物だ。制服着てる時は警察官の面構えでいろって、よく言ってたもんね。」


藤「川合に何かあったら私…っ」


『っ…また、大事な人がっ…いなくなるんじゃないかってっ…しおりさんみたいにっ…突然っ…うっ…』


源「…あっ、合コンのメールだ。」


藤「っ…アンタっ…勤務中だよ」


源「いいじゃん、別に…今だけなんだから。しばらく見逃して」


『うっ…ほんとにっ…ダメな人ですねっ…源先輩はっ…』


源「ごめんごめん」

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