# くんづけ - しるく ページ18
料理ができたので彼の名前を呼ぶ。
しかし何度呼んでも返事がない。
キッチンからはソファにもたれる背中しか見えない。
寝ているのかと思い彼の前に立ち、顔を覗き込む。
「おーい…シルクくーん…」
細い声でそう呼ぶと閉じていた彼の目がパチリと開いた。
「…くん付けいいな」
「くんづけ?」
「シルクくんって」
「くだらなすぎるよ…ほら、早く起きて。」
「シルクくんって呼んでくれたら起きる」
「やだよ、恥ずかしい」
「さっきはあんなに易々と呼んでくれたじゃん」
「あれは…寝てると思ったから」
彼はふーん、と相槌を打ち、横になったまま私の腰を抱いた。
途端に体勢が崩れる。
「わっ…」
「呼ぶまでこのままな」
「余計言いにくいからっ…」
「早く呼ばないとどんどん言いにくいようにしてくから」
「…どういう意味」
「さあな。キスでもしとく?」
「ばっかじゃないの」
「本気だよ、ほら早く」
やめてくれそうにない彼の顔を見て渋々諦める。
「………シルクくん」
「Aちゃん、よくできました」
そう言ってぱっと起きあがり唇に彼の唇の熱が触れた。
呼んでも呼ばなくてもキスするつもりだったんじゃないか。
心の中でそう扱き下ろしながらも、ちゃん付けも悪くないな、と思ってしまったなんてそんなこと。
# みぃさんリクエストありがとうございました!
431人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はなまる(プロフ) - チョコレートスモーカーズのお話はまだ書いていませんか??間違っていたらすみません(*..) (2017年8月5日 3時) (レス) id: f44c2ecff6 (このIDを非表示/違反報告)
ただの高校生 - こちらの方も頻繁にコメント確認しますので感想等あれば是非書いていただけると嬉しいです! (2017年3月17日 20時) (レス) id: ed7f326cde (このIDを非表示/違反報告)
ただの高校生 - ももたんさん» 本当に嬉しいコメントありがとうございます…にやにやがとまりません…ぜひぜひ!!いつでもリクエストお待ちしてます_(´・` _ (2017年3月15日 19時) (レス) id: ed7f326cde (このIDを非表示/違反報告)
ももたん(プロフ) - わああ!ありがとうございます(´;ω;`)すごい良かったです!ただの高校生さんの小説ほんとに大好きで見まくってたので嬉しいです…!良かったらまたお願いします(>_<) (2017年3月15日 17時) (レス) id: 1088910e6e (このIDを非表示/違反報告)
ただの高校生 - ももたんさん» 細かい設定を下さると書きやすいです〜ありがとうございます_(´・` _ご意向に沿えるか不安ですが書いてみたのでよろしければ! (2017年3月15日 2時) (レス) id: ed7f326cde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ただの高校生 | 作成日時:2017年3月3日 3時