妖札石探偵団 〜推理ファイル1〜

炎鳥と巨大武器！ ページ15

「札をおとなしく渡せ！」

リートが武器を振り回しながら叫ぶ。
だが、勿論それに皆は応じない。

「じゃ、炎石渡し猫返し、そのシャドウカンパニーとやらを未来永久解散させろ」

「やだね」

「まぁ、その条件をのまれても札を渡す気なんてこれっぽっちも無かったけどな。渡す気がないなら力ずくで全部返してもらう！」

レンは指ではなく炎札で魔法陣を描き、

「いけっ、『炎鳥(ファイヤーバード)』！」

と札で魔法陣を押し出した。
すると、魔法陣から全てが炎の鳥が出てきた。
まさしくフェニックス、激しく燃え盛っている。
炎鳥はリートに襲いかかる。

「ふん！」

リートは大きなフライパンで防御した。

「あの加熱されたフライパンにお前が乗れば、一瞬で丸焦げだろうな！」

レンが嫌味っぽくリートに言う。
だが、リートにフライパンに乗る気は毛頭無いし、乗る義理もない。

「このフライパンを攻撃に使えば、丸焦げになるのは貴様らだ！」

リートはニヤリと笑うと、フライパンを皆に向けて振り回した。危ないとかいうレベルじゃない。

「あと1mmで当たる所だったんですけど！」

太郎が怒りまくる。

「えーいっ、『来たれ水(スイリュウ)』！！」

咲が水札をフライパン向け構え、札から水を噴射した。
ジューッ、という音と共に、フライパンはどんどん冷えていった。

「ナイス、咲！」

太郎が冷や汗を拭いつつ言う。
今のフライパン猛攻撃はさすがにヤバかった。
太郎が、改めて自分の(1mm避けられたという)悪運の良さを実感する。

「おのれ…」

リートが実に悔しそうに拳を握りしめる。
妖札と妖術を使えるとはいえ、こんな子供4人相手に手こずり、劣勢にいる事が、今まで味わった事のない屈辱なのだろう。

「そろそろ炎石よこせよーっ」

レンが大声を出す。

「よこせ、と言われてよこす奴がいたら、世の中こう苦労しないんだな」

リートは悪人のクセにふさわしくない台詞を言う。

「お前に言われたくないよ」

太郎は突っ込み気味の声のペースで言うと、攻撃再開。

「『来たれ雷(いかずち)』！！」

と雷札を振って雷を落とした。
リートはたやすく避けるとレーザービームを発射。
妖術ガードで耐える皆。
リートは、やはり巨大な金属バットを振り回しこちらにやってくる。

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