花束で殴る

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抱きしめられたまま私は彼の体温を感じていた



本当にここに彼がいて私を抱きしめている



6年ぶりの彼の体は少し震えていた
あんな自信たっぷりな彼でも震えるのかと何処か他人事のように考えていた


かくいう私も震えているのだけれど




彼はふと私の肩に頭を預けた




｢皆、俺を置いていった


俺は、、、｣



彼が何かを言いかけた
その時



｢Aさん!!!!｣



聞きなれた弾んだ声に名前を呼ばれ私は弾かれたように振り向いた


零はまだしがみつくように私を抱き込めていた



振り向いた先には朝陽さんがいて
彼は私達を視界に入れた瞬間目を大きく見開いてえっ、、と小さく声を漏らした


零ゆっくりと顔を上げ
目の前の彼をじっと見つめた



見定めるかのような零の視線に目の前の彼はたじろぎ
私の目を悲しそうに困ったように見つめた

私はその瞳にふっと微笑みかけ零の方を見た


私は零を引きはがそうと彼の胸元を押した
しかしビクともしない





｢零離して
私達はもう6年も前から抱き合うような仲じゃないでしょう｣



さっきまで距離を許していたのは私なのに
出来るだけ冷たく零に言った

どこかﾁﾘッと胸に痛みが走った気がした



彼は更に私を掴む力を強くした
静かに私を悲しそうな目で見つめている


2人してなんでそんな目で私を見るのか
私は自身が悪いことをしたかのような気分で居心地が悪かった


否、婚約者がいるのに元彼に距離を許す女は最低だろうか


どちらにも好きという感情がある私はどうにもその好きの感情がどういうものなのか整理したかった


ごちゃごちゃになった感情を整理したくてもう1度彼らを見た




彼は依然として不安で揺れた目をしている


胸がはち切れそうなほどの痛みを感じた
自分の不甲斐なさからか涙が出そうになった





｢は、離してください
僕の彼女です、、!!｣



私が胸の痛みで顔を歪ませると朝陽さんが私の右腕を勢いよくでも優しく引きよせた
緊張しているのか彼の声は大きく震えていた


腕を引き寄せられたが零の力は緩むことも無く
私の体は零にぴったりとくっついたままだった






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更新できてなくてすみません。
テストや文化祭など諸々で忙しくて出来ていませんでした。
1週間に1度の更新ができたらなと思ってます。
もう1話完成間近なのでそれは本日中か明日に投稿させて頂きます。

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