第19章 ページ22
「……」
朝だ。
昨夜起きたことが嘘のように、
もう朝になっていた。
今日は、すごくぐっすり寝れた。
「……明王さん?」
扉を開けると、そこにはもう彼の姿はなかった。
……せめてお礼を言いたかった。
「A様、おはようございます」
「あ、おはようございます……」
にこりともしないで挨拶をしてくれたのはイシガシさんだった。
「よく眠れましたか?」
「はい、ベッドがすごく気持ちよかったですっ」
そう、ここのベッドはすごくふかふかだった。
枕も心地よくて布団も温かい。
それもあるんだろう、眠れたのは。
「……ふっ、そうですか
ではまいりましょう、あと少しで朝食の時間なので」
「……っ!?」
ーーあれ、今……笑った?
イシガシさん、笑った……よね……?
「いっイシガシさん!」
「……はい」
振り返ったイシガシさんは、もう笑ってはいなかったけれど、
でも、さっきのは見間違いなんかじゃなかった。
「あのっ、私なんかが言うことじゃないんですけど……
イシガシさん、いつも笑ってた方がいいです!」
「……!」
「よりかっこいいです!」
こんなことを言うのは失礼かもしれない。
昔は思ったことを口に出せなかったから、あってるのかもわからないけど……
だけど、
言いたくなった。
「……あの方もそう仰られた……」
「……あの、方?」
「拓人様です。私めなんかに「笑っていれば福がくる」と真剣にそう言ってくれた。
……嬉しいです。ありがとうございます、以後その様に心がけますね」
そう言って、
再び微笑んでくれた。
私も、
私も、嬉しかった。
*
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佐倉 照:Re(プロフ) - 倉基 杏さん» あ〜〜〜、誰とはまだ言えませんが(笑)こちらもまだ時間がかかりますが、お願いします! (2015年3月31日 22時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
倉基 杏 - どうでもいいんですけど「あの人」がどうしてもヒロトをイメージしてしまう…っ!(( 面白いです!こちらも更新待ってます^ ^ (2015年3月31日 22時) (レス) id: 2925a1fd16 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照:Re(プロフ) - ミサさん» え(( (2015年1月12日 13時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 関係ないけど今日の朝にパン食べたら歯が抜けたw (2015年1月10日 20時) (レス) id: d3395f6e59 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照:Re(プロフ) - ミサさん» うん、ありがとう^^ (2014年12月31日 12時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
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