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「ごめんなさい」
そんな言葉じゃ伝えきれないの。
アナタには沢山の幸せや笑顔を貰えた。
だからね、もう良いんだ。
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side IN
「伊野尾ちゃん！」
バタバタと慌ただしい足音を立てながら駆け寄って来た山田。
俺の数少ない友達である1人。
容姿、運動能力、性格も素晴らしくてたったひとつダメなのが勉強。
コイツは恋人がいるくせに何かと俺に構ってくる。
でも友達になったのなんてホントに最近なんだけどね？
1人で星を見に行ったんだ、綺麗な星空を。
そこにいた星よりも目を引く男。
それが山田。
「...ちゃん！伊野尾ちゃん！」
「んぁ？ごめん何だっけ」
「ああ、もう！俺の話ちゃんと聞いてって！」
カフェに向かう途中でぼーっとしてたら隣のチビがキレてくる。
ホント短気だな、コイツ。
「よしよし、そんなに暴れんなよ」
「別に暴れてねえから！」
ホントに伊野尾ちゃんは、なんてずっとブツブツ俺への愚痴を漏らしてる。
俺ばっか悪くすんなって。
「ほら、ココだよ」
山田に連れてきてもらったカフェは外観がシックな雰囲気で俺好みでもあるし山田好みでもあった。
スっと前に出てドアを開けてくれて。
何スマートに決めてんだよ。
「なに？レディーファースト？」
「そうそうって、伊野尾ちゃんはいつから女の子になったんだよ」
「気付いたら女になってたんだよ」
「へえ、じゃあココについてんのはなんだよ」
そう言って急に山田が手を伸ばしてきたのは俺のアソコ。
大事なアレ。
伸びた手はそのまま俺のをギュッと掴んで。
「ひあ...っ！？ちょっ、お前どこ触ってんだよ！！」
殺意。コレは殺意だ。
まさか掴んでくるなんて。
「ばかな事言ってる伊野尾ちゃんに正義の鉄槌を下してやった」
何でもないように言ってのけるけど山田の耳が色づいて、目線が泳いでるのなんて気付いてるんだよ。
もう道を踏み外さないでよ。
俺なんかに構わないで。
そんな事してたら俺だけじゃなくて、また山田もダメになっちゃうじゃん。
「...っほら！もう中行くよ！」
仕方ないから今だけは曖昧に頷いて。
甘えられるのはもう少し。
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作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2018年8月22日 17時
