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今日は冠番組のスタッフさん達との飲み会が行われる。
俺は仕事で遅れてしまってお店の店員さんに部屋まで案内してもらう。
部屋に入ればもう何人かは床で眠ってしまっていて、かなり出来上がっていた。
その中の一人に俺の嫌いな奴も混ざっている。
「 涼介〜遅い〜 」
その状況にどうしたら良いものかと戸惑っているといつもよりふわふわとした喋り方のちねんが俺の元へ駆け寄ってくる。
お酒に強いはずのちねんがここまで楽しそうになるなんて皆飲み過ぎなんじゃねえの?
「 ちねん酒くせえ 」
「 ええ〜?そう? 」
何故だかちねんは俺の言葉を聞いて自分の服の袖口をグイッと引っ張り、そこを自分の鼻に押し付けスンスンと匂いを嗅ぎ始めた。
まったく、うちの我儘姫をこんなんにしてくれちゃってどうしてくれるんだか。
「 ちょっと何してんの!」
そこら辺に適当に荷物を下ろし座ろうとするとそれを咎めるちねん。
「 は?何だよ 」
「 伊野尾ちゃん沢山飲まされて潰れちゃってんだからスタッフさん達にお持ち帰りされないように涼介が面倒見ててよ!」
いやもう理解出来ねえ、、
ちねんさんは何を言ってるんすかね。
俺がアイツの事を嫌いって事は知ってるはず。
なのに何でその役を俺に押し付けてくるんだよ。
「 無理。ゆーてぃーとか薮ちゃんに頼めよ 」
俺は関係ないとばかりにグラスに酒を注ぎ、飲もうと手を伸ばすとそれを取り上げられてしまう。
「 良いから!涼介がいいの!」
そんな無理矢理な事を言ってちねんがあとは頼んだからね!とフラフラとスタッフさん達の方に行ってしまった。
はあ、マジで無理だわ。
でもいくら嫌いでもうちのメンバーに何かあったらたまったもんじゃないから残っている僅かな責任で伊野尾ちゃんの所へ向かう。
床で猫のように丸まって眠っている彼を見て少し可愛いな、なんて思ってふと我に帰る。
は?今俺可愛いって思った?
俺が世界で一番嫌いな奴にそんな事思うはずねえのに。
気持ち良さそうに眠る彼に視線を向ければいつもは真っ白なのに今は桃色に染まっている肌
閉じられた瞼を縁取る睫毛は頬に影を落としていて。
たまに漏れる吐息は少し色っぽくて。
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かすたーどばにら(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!まさか大好きな作者様の翠さんからコメントもらえるなんて思ってもみなかったのでとても嬉しいです...!はやくすれ違ってるふたりをくっつけたくて日々頑張ってます(笑)更新頑張ります!! (2018年8月14日 0時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - コメント失礼します!!!とても好きです!このすれ違い具合がたまらなく愛おしいです...!これからも更新楽しみにしてます!! (2018年8月13日 14時) (レス) id: a6b1b35491 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - ひとみさん» そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです!なるべくたくさん更新できるように頑張りますね!これからも頑張るので応援お願いします!(笑) (2018年8月11日 10時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - Vさん» 返信遅くなってしまってすみません!いつも読んでくださりありがとうございます!私も書いてて楽しいです(笑)完結できるように頑張りますね! (2018年8月11日 9時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - この作品大好きで、更新を楽しみにしてます!! 続きが早く読みたくってウズウズしてます(笑) (2018年8月10日 8時) (レス) id: c0bd1ad421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かすたーどばにら | 作成日時:2018年3月16日 22時