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side YM
やってしまった。
そう思う反面これで良かったんだと思ってしまう自分もいた。
嫌いだと言ったことに後悔もないし薮ちゃんとのことについても言いたいことは言えた。
ただ引っかかることが一つ。
彼は薮ちゃんとの事を否定するわけでも肯定するわけでもなかった。
“もうしない”と言ったのは人目に付くところであの様な行為はしないということだろう。
じゃあなんで薮ちゃんを庇ってんだ？
付き合ってないのなら庇う必要だってない。
分からない、ただそれだけ。
でも確実に言えるのは俺が嫌いだと口にした時に彼が酷く顔を歪めたということ。
そして去っていく彼の姿は凄く弱々しく最後に見せた笑顔も貼り付けられた物だった。
分かんねえ、俺には伊野尾ちゃんを理解することが出来ない。
嫌いな奴を理解しようとするなんておかしな事だけど俺は彼を理解したい。
最近はなぜかもっと知りたいと思ってしまう。
考えれば考えるほど彼も自分のことも分からなくなってガシガシと乱雑に頭を掻いた。
ずっとそこにいる訳にもいかず楽屋を出て左に行けば殆ど人が来ない様な階段がある。
そこでちょっと頭を冷やそう。
ゆっくりとした足取りで階段へ向かうと聞き慣れた声が聞こえてきて足が止まる。
「 大丈夫だ、お前はもうよく頑張った。さっさと忘れろ... 」
誰かを励ます様な優しい口調の声は薮ちゃん。
誰を励ましてんの？
それに忘れろって...
なんだか気になってしまいそっと向こうからは死角となる位置から覗いてみる
「 っ...！？」
見えた光景に思わず言葉を失う。
嗚呼、やっぱり。それしか思えない。
だってそこに居たのは薮ちゃんに抱き締められてる伊野尾ちゃんだったから。
伊野尾ちゃんは薮ちゃんにしがみつくようにして泣きじゃくっている。
俺には見せてくれたことのない姿。
「 俺やっぱり好きなんだもんっ...！何を言われようと好きだから忘れるなんて出来ないっ...、」
あの二人付き合ってたのかよ。
伊野尾ちゃんはそんなに薮ちゃんのことが好きなんだ...
ズキリ
心が軋む音がした。
あんな二人の姿を見て伊野尾ちゃんにあんなにも好きになってもらえる薮ちゃんを羨ましいと思ってしまったのは、
今まで俺の事を嫌いだという態度を隠さない伊野尾ちゃんにイラついたのは、
今全てを知って温かいものが頬を伝うのも、
全部、伊野尾ちゃんが好きだったからなんだ
.
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かすたーどばにら(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます！まさか大好きな作者様の翠さんからコメントもらえるなんて思ってもみなかったのでとても嬉しいです...！はやくすれ違ってるふたりをくっつけたくて日々頑張ってます（笑）更新頑張ります！！ (2018年8月14日 0時) (
レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - コメント失礼します！！！とても好きです！このすれ違い具合がたまらなく愛おしいです...！これからも更新楽しみにしてます！！ (2018年8月13日 14時) (レス) id: a6b1b35491 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - ひとみさん» そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです！なるべくたくさん更新できるように頑張りますね！これからも頑張るので応援お願いします！（笑） (2018年8月11日 10時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - Vさん» 返信遅くなってしまってすみません！いつも読んでくださりありがとうございます！私も書いてて楽しいです（笑）完結できるように頑張りますね！ (2018年8月11日 9時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - この作品大好きで、更新を楽しみにしてます！！ 続きが早く読みたくってｳｽﾞｳｽﾞしてます(笑) (2018年8月10日 8時) (レス) id: c0bd1ad421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2018年3月16日 22時
