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信じられない！
パウダールームに逃げ込んだ私は
まだ熱い身体を冷まそうと自らの腕をぱたぱたと叩いた。
あの男。
バルコニーで私を散々弄んで、途中で止めた。
確かに外だったし、さすがにあのまま最後までっていうのは
そりゃ冷静に考えたらあり得ないかもしれないけど
あんなにスゴいキスや刺激を与えておいて
このまま止めておくなんて拷問すぎる。
深呼吸をして鏡を見ながら
すっかり取られてしまったリップを塗り直していると
美しい姿の仮面の女性が入ってきた。
私より少し年嵩に見える。
鏡越しに見る姿はまるで海外の女優みたい。
モスグリーンのセクシーな衣装が驚くほど似合ってる。
「あなた」
この空間には私とこの女性だけ。
もしかして私に話しかけているの？
「…私？」
「そう。…あなた、あの方にどうやって取り入ったの？」
"あの方"とは、あの男のことだろう。
それにしても
取り入った、とはなかなか言葉が悪い。
「取り入ったつもりはないけど」
「だったらあなたが本命のパートナーだってこと？」
パートナー？
恋人ってこと？
まさか。
あの男に本命なんて概念があるとは思えないけど
それでも
ここに呼ばれたってことは、ある程度特別であると考えても自惚れではないだろう。
「驚いた。余程優秀な方なのね、あなた」
…優秀？
「まさか知らないわけじゃないでしょう？
登坂が主宰のこのパーティーであなたがあの方と踊った意味」
トサカ…？
訝しげな私を驚いたように見る女性。
「もしかして、何も知らないの？」
「……」
答えられない鏡の前の私。
その横に女性は立つと、私の顔をじっと眺めた。
「見た目はそこそこ、悪くないけど。
…ってことは、余程気に入られたのねその身体」
女性の美しい爪がさっきの赤の痕をなぞる。
羞恥で赤くなる私に女性が囁く。
「ごきげんよう、"シンデレラ"」
ますますわからない、あの男のこと。
だけど
ただ者じゃない。
「お連れ様は最上階でお待ちでございます」
パウダールームから出た私を待ち構えていたのは
男ではなく仮面姿のメイドらしき女性。
エレベーターに案内された私は
そこに一人で乗り込んだ。
紅いキスマークに触れて
私は緊張感を高めていく。
私の飛び込んだ世界は
もしかしたらとんでもない所なのかもしれない。
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの？とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (
レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます！！ (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)！NEEさんのお話大好きです＼(^^)／NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)！ (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく！隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年4月14日 22時
