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これまでだって何度も
この男との行為は極上だったけれど

 

今夜は特に格別だった。


何度私は天国を見ただろう?

そしてきっと彼も。


 



 



 
「…あなたはどうしてここに私を呼んだの?」
 
 
行為の後
ふわふわの頭で彼に体を預けながら
私は思いを言葉にする。
 

「…試したかった、おねーさんの色々」

「試す?」

 
目を閉じたままの私の髪を男の指がすく。

声色が優しく心地いい。



「度胸も美しさも完璧」

「それはどうも」


 
それを知ってどうなると言うのだろう。





「見て。
この建物はこの辺りで一番高いから、この街のほとんどが一望出来るんだけど」


ゆっくりと目を開けると
彼が指差す先には見事な夜景。
 

 
「この景色全てがあなたのものだ

って言ったら、どうする?」

 
耳元で囁くキザなセリフがらしくなくて
思わず笑いが零れる。

 
「使い古された口説き文句ね」

「たしかに」

そう言って笑う彼は、やっぱりあどけない。


「本当に私のものなら凄いけれど」

「ん」

「でも、ここにいる私はすごく孤独だと思う」

 


そう言った私に
彼はただ一言、「そっか」と言っただけだった。




何だかいつもと様子が違うのは、私の気のせいだろうか。

 
一見雑談のようなこのお喋りの中に
何かが隠されているっていうの?
 
 

いつもの挑発的な態度とは少し違う様子に思わずまじまじと見つめてしまっていた。


いつもみたいに笑う男が私の瞳を覗き込む。
 
 
「何?またしたくなった?」
 


そう言うと彼は私の顎に手を添えた。

だけど

唇が触れる前に私が発した質問で、
彼は、止まる。

 
 
「あなたの理想の女性って?」



"おねーさんみたいな人だよ"なんて
どうせ軽口で誤魔化されると思っていた。

 
なのに、彼の口から発せられたのは
予想外の回答だった。





「"俺"を理解してくれる女性、かな」





その瞳が少し曇ったようで
私は思わず息を飲んだ。
 
 
私の様子に気付いて
男はいつもの彼に戻ると
意識の飛びそうなキスを私に与える。



またすぐにどこかへ行ってしまいそうな意識の中で

彼が垣間見せた意外な一面が
頭から離れなかった。

 

 


目が覚めればセオリー通り。
いつも以上に豪華な部屋に
彼の姿はなかった。

 
いつもと違うのは、昨日のメイドが部屋にやってきて
帰りの車の手配をしてくれていたこと。



初めて乗るリムジンの中で
私は昨日の男の顔が、頭の中を支配していた。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの?とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます!! (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)!NEEさんのお話大好きです\(^^)/NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)! (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく!隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年4月14日 22時

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