【文スト】白虎の片割れ。第二幕

Episode.58 - Hair ornaments ページ21

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朝。



「ただいま」



朝の仕事を終え、今日も一日が始まる。



いつもなら鏡花が「おかえり」、と迎えてくれるのだけど、今日は返事がない。



「鏡花？」



まだ寝ているのかな、と思い、寝床を覗いて見るも、鏡花はいない。



「…？」







なんでだろう、と少し不安な気持ちが募ったその時。

「ただいま」と聞き慣れた声がした。





「おかえり…。何かしてたの？」



「朝の散歩。…少し近所を歩いていた」



良かった、散歩だったのか。







「…あ、そういえば姉様。此れ、見て」



そう言い、鏡花は掌を差し出した。掌には、白い花の髪飾りが四つ。



「綺麗な髪飾り…！」



「でしょ…？
此れ、散歩の途中に、狐面を作っている人から貰った。…四つあるから、姉様に二つあげる」



と、鏡花は私の掌に髪飾りを乗せてくれた。



「ありがとう」








……凄く、嬉しい。



「うん。白い花……姉様、白華、だね」



「あ、ほんとだ」







鏡花から貰った髪飾りを、顳顬(こめかみ)辺りに付けて見せた。







…私も少し早いけど、あれを渡そうかな……。







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Hair ornaments=髪飾り

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