【文スト】白虎の片割れ。【中島敦】

Episode.16 - Sewing ページ18

A Age.11

「お母様、なぁに？」



今は朝の10時くらい。



お母様が、私に話があるって言って、呼び出したんだけど…



今まで、こんな事無かったなぁ…



一体、何の話なのだろう？









「___貴女は、もう11歳。少しずつ、大人に近づいているのです。

今日から、貴女がいつでも世に出られる様に、“しつけ”を致しますわ」



「しつけ…？」



「はい。今日は、裁縫の練習をして頂きますわ」



「…はい！」









.



「先ずは、此の針に糸を通して…」



「ん…、難しいなぁ………通った！」



「上出来ですわ」







.



「母が手本を見せます。

此の様に、布と布を縫い合わせて…」



「布と布を……布、と布」







.


すると、正午の時計が鳴り響いた。








「お昼時ですね…今日の処は終わりにしましょう」



「はい」



「いい返事ですわ。
お疲れ様でした。初めてにしては、良く出来ていました」



「…えへへ、ありがとう、お母様」









私の指は今、絆創膏でいっぱい。



凄く痛いけど、お母様が、頑張った証だって褒めてくれた。



明日からもこの“しつけ”の時間があるけど、精一杯頑張る。







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Sewing=裁縫

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