Whisper____06 ページ8
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注文したコーヒーを持つ女給にAは軽く一礼すると、手前の席に座ると敦に目を合わせた。
敦は小さく会釈をするとまた不思議そうにAを見つめる。
「改めて、事務課の泉 Aです」
これからよろしくね、と続けるA。
敦もそれに続き「宜しくお願いします」と云った。
「……」
「やっぱり、うずまきの珈琲は格別ですね」
そう云って微笑むA。
無意識にAの左手は
気分が高揚している時のAの癖。
右側だけが長い、
不思議そうな敦の視線にAは気付いていないらしく、敦の気持ちがまた少しと複雑になっている様子が見てとれる。
一瞬、脳裏に浮かぶものを吐き出そうと口が震えるのだが_____
「ッ……」
誰からも見えないよう、唇の内側からきゅっと諌める。
はっきりと見えた視界に肉眼では見えぬ、温かみをもったもやが降りかかっていたのだった。
______とても、云いにくいのだ。
何かとは………否、云えないのだ。
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前職
突然、談笑に紛れながら谷崎の携帯が着信を受け取った。
番号は非通知。社長や乱歩からのものではない。
電話口の向こうからは若い女性の声。
「……依頼ですか、分かりました。今からそちらに向かいます」
「_____さて、お仕事の時間だねぇ」
右手をひらりと踊らせて太宰は席を立つ。口角を少し上げる。
「…改めて、探偵社にようこそ。
と太宰は云い、何処か意味ありげな表情を浮かべ先に“うずまき”から去って行った。
「(
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ヨコハマに佇む
「敦くん、行こう?」
Aは微笑みながら敦の肩をそっと叩く。それは、小さく温かい手だった。
少しの間を置いてから、はいと答えた敦は小走りで
_____よく似た後ろ姿だった。
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りーこ(プロフ) - ホントこの作品大好きです…!更新はもうしないのでしょうか…?? (6月13日 18時) (レス) @page11 id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす亭(プロフ) - あすたさん» わわ!返信有難うございます!!了解しました!!気長にお待ちしております!!! (2023年3月6日 12時) (レス) id: f0d1cce51f (このIDを非表示/違反報告)
あすた(プロフ) - おむらいす亭さん» 一番大好きと言っていただけてとても嬉しいです〜!構想に時間がかかっていましてお待たせしている状況です、、気長に待っていて下さると嬉しいです……!!!ありがとうございます! (2023年3月6日 1時) (レス) id: d4ff684ae2 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす亭(プロフ) - コメント失礼します!!この作品文ストの夢小説の中でも一番大好きで…!また更新していただくことは可能でしょうか.?お待ちしております!!!! (2023年2月27日 14時) (レス) @page11 id: f0d1cce51f (このIDを非表示/違反報告)
Aster.(プロフ) - マッチさん» マッチさん!コメントありがとうございます〜〜こんなにも長いものを読んでくださりありがとうございます泣スローペースですがどうかお付き合いください……! (2022年5月18日 1時) (レス) id: d4ff684ae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Aster. | 作成日時:2019年7月11日 22時