【文スト】白虎の片割れ_____凜。第四幕

Whisper____02 ページ4

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与謝野が開く音に反応して携帯電話を閉じるとAは途中で言を切る。


Aと与謝野が送る視線の先には___



「…おやおや、男三人ばかりゾロゾロと。解剖志願なら明日にしとくれよ」


「お疲れ様です、皆さん」



______太宰、国木田、谷崎。



「与謝野さん、残念ですがボク達まだ怪我してないんで…。こんばんは、Aちゃん」


「太宰、“会議室に皆を呼んである”と云った言葉は真(まこと)か？
与謝野女医(せんせい)とAの二人の他、誰も姿が見えないが」



太宰、国木田、谷崎が加わったこの会議室。
元居たAと与謝野に加わって、計五人。

面子(メンツ)として_____後三人ほどが挙げられる。



「うーん、まあまあ。
みんな自分本位(マイペエス)な事だし、暫(しばら)くすれば、ね。ご心配なく国木田君。計画は立ててあります。先に私達で始めちゃおうよ」


「賛成です」


太宰の云い分に、Aは快く応えた。


「じゃあ…国木田さん、与謝野女医、ボクも賛成です。始めてしまいましょうよ」


ほがらかな笑みを浮かべた谷崎も、快く賛成の意を示した。

では早速、と、太宰は白板(ホワイトボード)に文字羅列を綴り始める。



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太宰が云った通り、暫く…また暫くと経つ頃には面子が賢治、ナオミ、乱歩と揃っていった。


個々に試験内容を提案する…というまたこれは、と突っ込みたくなるような議題となったが、案の定業務油と牛脂を混ぜたかのような、カオスで濃厚過ぎたものだった。


胃痛の種には充分。
国木田もそろそろ限界が近い。その理由は一つではない。


その後も中々濃い意見や作戦が溢れたが…
______そろそろけりをつけよう。


…結局、偽事件を起こしてやり、新人の“あつし”になすりつけ解決させてやろう！という事になった。


偽事件。英雄と対照の悪役。
その悪役決めは、与謝野の手元の新聞を籤(くじ)にしたもので決めよう、という話に。


「籤一片______新聞の表裏頁の合算が最も小さい籤を引いた奴が、今試験の悪漢だ。
場合によっては、その次に小さい籤を引いた者も考える。

不正は無いようにな」


と、念を押すように国木田が云った。

さて、この言葉が残念ながら、「理想」、「計画」通りに進むことはなかった、という事を、念を押した張本人である国木田は知るよしもない。



企みは、いつか丸裸になってばれるものだ。


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