【文スト】こんな事になりました。パート２【自作コラボ】

会いが一つ　料理 ページ43

福『お陰で、父親達にお前を羨ましがられたぞ』


『ゔっ…』


福沢さんはそう言いながら、Aを抱き締めた。


Aさんは少し顔が赤い。


だが手は止めない。


主夫である。


福『父親達が私に｢何故そんなに好かれているのか｣と何度聞いてきた事か』


｢確かに、今どきの親子はあまり仲良くしていませんからね｣


福『それも何度となく言われた』


良いなぁ、福沢さんと親子。


『面倒をお掛けしました…』


福『こういう時に照れるくせ、独占欲は強いよな』


全｢！｣


｢あ、やっぱり独占欲も兼ね備えてるんですね｣


病んでれは知ってた。


乱『めちゃくちゃだよね〜、この前のも凄かったし』


｢この前…？｣


ベチャッ


全｢!?｣


Aさんが手を強く握り、手の中からハンバーグのタネが潰され出た。


ボウルの中へ、落ちていく。


顔は見えないが、オーラがドス黒い…。


『…ありましたねぇ…そんな事…』


全｢っ!?｣


髪が横に退け、表情が見えた。


鋭い視線を宿す目と、低くなった声で、どれほどの想いをしているのかが、分かる。


『あの人はダメです』


手を開き、またハンバーグのタネを成形し始めた。


『乱歩さんを想っていると戯言を抜かしておきながら、他の男に目移りするなど、人としてどうかと』


全｢！｣


…乱歩さんに、片想いか…。


…ん？目移り…？


福『お前のトラップ、凄いもんな』


Aさんが、最後のハンバーグを形成し終えた。


手を洗い、フライパンに火をかける。

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