【Dr.X】入院生活も案外悪くない

カルテ５ ページ6

先を行く彼女の後を追って、後ろを歩く


「…」

『…』


沈黙が続いて、なんだか気まずい
何か話題を振った方がいい？
とはいえ何に興味があるかなんてわかんないし




…ていうかそれ以前にこの人は誰


『あの、』

お名前教えていただけませんか



そう続けようとした瞬間に、今までこちらを見ることなく前進していた彼女が急に振り返った


「とうちゃーーっく」

『…へ？』


ごめんなさいついていけてない
一体なにがどうしたって言うんだ


混乱した私を丸無視して、彼女はすぐ側のドアを勢い良く開けた

ちらりと見えた室内

…ん？なんだか見覚えが



「病人は部屋でおとなしくする」

わかったー？


目線を合わせるために腰を屈めた彼女はグイッと顔を近づけ、大きな瞳でじっと見つめてきた


…あぁ、見覚えあると思ったら、なんだここって私の部屋じゃん


若干たじろぎつつも『う、うん、わかった』と返事を返す


それから私は彼女に背中を押されながら高そうなベッドへ直行
Aの短い旅は幕を閉じた

少し残念な気もしなくはないけど、こんな美人さんと会えたからよしとするか、なんて呑気なことを考えながらベッドの上に寝転がる

すると女性はさりげなく掛け布団をかけてくれた


美人で綺麗なうえに気が利くなんて完璧
どうしよう私女だけどこの人に惚れちゃった嫁にほしい


横になったまま傍らに立つ彼女を見上げる


ポケットに手を入れたまま窓の外を眺めていた彼女は私の視線に気付くと、不意に悪戯っ子のような笑みを浮かべた








「じゃーね、迷子ちゃん」




わーぉ

そんなニヤつき顔さえ様になっててちょっと複雑になった今日この頃




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まだまだ出来たてのこの小説ですが、いつの間にか100hit超えていてうれしい限りです
温かいコメントもありがとうううヽ(=´Д`=)ノ
ニヤニヤしながら読ませていただいてます←
特に感想などいただけると泣いてよろこんでます((

ほんの少しでも多くの人に楽しんでもらえると幸せです

それでは、これからもどうぞよろしく！


くおん

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