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｢それで…それでノコノコ帰ってきたのかよ｣
山本がワナワナと震えながら､声を潜めて尋ねた｡
獄寺はただ頷くだけだ｡
｢確かに獄寺の言う通り､手がかりは何もない｡しかしなぜ周辺だけでも探さなかった!あの時点ならまだ近くで息を潜めていたかもしれんのだぞ!｣
笹川は壁に拳を打ちつけて､獄寺を非難する｡その場にいるクロームは､心配そうに眉を下げていた｡
｢いや､それはない｡男たちと応戦した後は全力で逃げ去ったらしい｡逃げ出してから結構な時間も経っていたみたいだしな｡それにあの状態の10代目じゃ……｣
最後の方はろくに聞き取れなかったが､彼が言わんとすることは全員分かっていた｡
｢でも､このまま放ってはおけないよ……｣
｢だからお前らを集めたんだろ｣
クロームの呟きに獄寺は半ば呆れつつ言った｡
｢急ぎの仕事を終えた奴からAの捜索にあたれ｡大したことない仕事は後回しでいい｡そこは俺が何とかするから気にしなくていい｡いいか､一刻も早く俺たちでAを見つけるんだ｣
3人の顔に光が見えた｡全員､想いは同じだ｡
競い合うように彼らは部屋を飛び出した｡
そんな計画がなされていることをまったく知らないツナは､手の中でバンクルを弄んでいた｡
そう､GPS搭載のAのバンクルだ｡
駆けつけた場所に彼女はいなかったが､倒れていた男の近くに落ちていたのである｡大方､戦った時に外れてしまったのだろう｡その衝撃により､バンクルには小さな傷がついていた｡
どれだけ激しい戦いだったのだろう｡
あの子にはそんなこと､させたくなかったのに｡
俺の選択は正しかったんだろうか｡俺の選択で多くの人を傷つけてしまったのではないか｡
悶々と自問自答を繰り返し､ツナは机に顔を伏せた｡
｢教えてくれよ､リボーン……｣
そう呟いた途端､机上の電話が部屋に鳴り響く｡受話器を取りたくないくらい鬱になっていたものの､彼は目的物に手を伸ばした｡
｢もしもし?｣
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2020年9月17日 21時
