坂田銀時さん ページ10
銀時 side.
『あっ…わ、私の名前は、小鳥遊Aです！よろしくお願い致します！万事屋さん！』
「あー、その”万事屋さん”って呼び方、辞めてくんね？仕事思い出すから嫌なんだわ〜」
『そうなんですか！！？』
あわわわわごごめんなさいぃ！と
あからさまにオドオドし出す。
笑ったり、焦ったり、怒ったり。
面白い子だな。
そんなAを見て、ククッと笑いが出た。
『じゃ、じゃあ…なんとお呼びしたら……？』
「あ〜〜そうだな〜…」
今まで会ったヤツらにそんな質問された
ことなかったから想像もしなかった答え。
呼んで欲しい呼び方…
銀ちゃんも可愛いだろーし、
銀さんもなんか…いいな。
ぶっちゃけこの子が呼んでくれんなら、
どんな呼び方でもいい。
でも俺は期待してしまうような
意地のわりィ答え方をした。
「じゃあさ、どう呼んでくれんの？」
『え！？うーん…そう、、ですねぇ…』
目を瞑り眉間に皺を寄せつつ、
一生懸命考えてくれてるようで。
その姿に、いつしか夢中になって
眺めていると、
『……銀時、さん』
.
『ぎ、銀時さん！なんてどうでしょうか！！』
俺の想像を遥かに越えて、
初めて呼ばれる、”銀時さん”呼びに、
俺の心臓は、
大きく
大きく
跳ね上がった。
「へ……」
やべェ、予想外過ぎて情けねェ声出たわ！
『あっあの…銀時、、さん？大丈夫ですか……？』
俺は一度、背を向ける。
後ろからAちゃんの心配そうな、
恐る恐る声を掛けてくれたが、
心臓の音と呼ばれた声で脳と耳を支配されていて、
それどころではなかった。
落ち着け、
落ち着け俺。
そして一度、深呼吸。
そして振り返って
相手と目を合わせた。
『……？』
「よろしくな、A…ちゃん」
俺がそう呼ぶと、
Aの表情は、ぱあぁああ！と
効果音が付くぐらいの笑顔で、
『！はいっ！！よろしくお願い致しますっ！』
と、深々とお辞儀をした。
どうにかポーカーフェイスを装ったが、
胸に手を当てると、
まだ俺の心臓はドキドキいってて顔も熱い、気がする。
名前を”さん”付け呼びされただけで、
この威力。
このドキドキの
きっと、多分、アレだアレ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢充(プロフ) - 美結菜さん» コメントありがとうございます…！めちゃくちゃ励みになります🥺かなりのろま更新ですがこれからもよろしくお願いいたします！！ (2023年2月22日 0時) (
レス) id: f5e7298e17 (このIDを非表示/違反報告)
美結菜 - とても面白いです！続き楽しみにしています！ (2023年2月9日 23時) (レス) @page13 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢充 | 作成日時：2021年1月16日 14時
