＃8 ページ20
シャークんは二、三回瞬きをすると、ゆっくり起き上がる。
「シャケっ!!......よかった」
「っスマイル!! 研究員だ、離れろ!!」
シャークんはけいたをみると、飛び上がって数メートル後ろに跳躍した。
すぐさまスマイルは状況を説明し、シャークんを納得させる。
「今までごめん。君に注射を打って実験したときの助手、あれ...俺だったんだ」
「...通りで、見た事ある顔だと思った」
「あの時は......ごめん」
「...まぁ、助けてくれてありがと」
シャークんは照れくさそうに笑った。
「気をつけて。ここの本部には雇用能力者って言って、ゾムみたいに本部を守ってる能力者がいる」
「分かった、ありがとう......けいた」
「...頑張って。生きて、六人全員で逃げるんだ」
スマイルとシャークんはお礼を言うと、部屋から駆け出した。
取り残されたけいたは、小さく手を振って微笑んだ。
「きっと勝てるさ、君たちなら」
＊ ＊ ＊
「ぶる...っ、く.........？」
あれからどれだけ時間が経ったのか分からなかった。震える手で抱き締めていた体が微かに動くと、なかむは薄ら目を開けて口を動かした。
なかむは床に手をついて起き上がると、不思議そうに首を傾けた。
「...ぶるっく.........なんで、泣いて...」
「......っ、心配、した...よ、バカｯ.........」
勢いのままに、ぶるっくはなかむを強く抱き締めた。
堪えきれずに溢れた涙が頬を伝う。
もう会えないと思っていた。
抱き締める手を緩めたら、なかむがどこかに行ってしまいそうで怖かった。
それでも信じてた。
大きくなっても、ずっと一緒だからね＿＿＿＿。
あたたかい温もりに、なかむも優しく抱き締め返した。
自分の事をこんなに思ってくれる仲間がいるなんて、俺はなんて幸せ者だろう、と。
そして信じることを決して忘れないと誓った。
「...俺ら、ずっと一緒だから。大きくなっても、ずっとな」
「当たり前じゃん......っ、約束、ね」
なかむとぶるっくは固く指切りをすると、立ち上がって剣を構えた。
ここは敵の本部、感動の再会はここまでにしたい。
六人で帰るんだ。その目標に今、一歩近づけた。
「行こう！」
なかむがそう言って扉を開けると＿＿＿
「っ、なかむ?!!」
「シャークん、...スマイルっ!!」
そこには、同じ戦友が扉を開けようと立っていた。
「行くぞ!! 四人で、きんとき達を迎えに!!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
CA(プロフ) - かりんとうさん» コメントありがとうございます。そう言って頂きとっても嬉しいです!(^^) ゆっくり更新となりますが、私なりに頑張って番外編を制作中ですので、機会があればそちらもよろしくお願いします。最後まで閲覧ありがとうございました!! (2020年3月14日 0時) (
レス) id: 8d937f2b1a (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう - めっちゃ天邪鬼面白かったです!番外編楽しみにしてます！CAさんのペースで更新お願いします！(語彙力ない) (2020年3月13日 23時) (レス) id: dd325e7063 (このIDを非表示/違反報告)
CA(プロフ) - (名前)SOSORARAさん» コメントありがとうございます。受験お疲れ様でした!(^^) コラボ中心に更新ですが、たくさんのお声があって作成に至りました。近日公開ですので、よろしければ是非!! ( ´ ` ) (2020年3月11日 16時) (レス) id: 8d937f2b1a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)SOSORARA(プロフ) - 天邪鬼また新しい話が読めるので嬉しいです！！私も今日受験が終わったので、それとこみで本当に好きな話なので待ってます(*'▽'*) (2020年3月11日 15時) (レス) id: 9690945b39 (このIDを非表示/違反報告)
CA(プロフ) - らいら@金春色さん» コメントありがとうございます。「Fin」には本作で伝えたかったことを詰め込んで書きました!(^^) 番外編、更新速度は落ちるかもしれませんが頑張ります! 閲覧ありがとうございました! ( そうです、キャビンアテンダントです笑 ) (2020年3月7日 10時) (レス) id: 8d937f2b1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
