＃8 ページ9
ここは一人一匹に集中して仕留めた方が良いと判断すると、シャークんは一番手前の鹿に、ぶるっくは左から二番目の手前に近い方の鹿へ弓を静かに構えた。ギリギリと弓を引き絞る。
シャークんが矢を放った。ヒュンと鋭い音を立てて矢が鹿へ向かっていく。
仕留めた。今日初めての獲物だ。
鹿達が一斉にパニックになる。ぶるっくは逃げられる前に仕留めようと、素早く鹿へエイムを合わせて矢を放った。矢は空を切りながら一直線に鹿へ飛んでいく。
しかし、鹿に当たるはずの矢は、木の根っこに刺さった。
外した。
(やばいっ！)
ぶるっくが慌ててもう一度弓を構えた時だった。ぶるっくの隣からヒュンと心地よい音が聞こえたかと思えば、目の前で鹿が小さい悲鳴を上げて息絶えた。
「･･･ありがと」
ぶるっくが仕留め損ねた鹿を、シャークんの放った二本目の矢が捕らえたのだ。ぶるっくは少し驚いた顔をしながらもシャークんにお礼を言う。シャークんはけらっと笑うと、「処理するぞ」と弓をしまって鹿の方へ歩き出した。
二匹の鹿はすでに絶命していた。シャークんとぶるっくは横たわる鹿の前に片膝をつくと、手を胸の前で組んで目を閉じた。命を頂く際にする、手短な儀式だ。
二人は儀式を終えると、鹿に刺さった矢を抜いた。矢を抜いたところからは鮮血が溢れ出た。抜いた矢を一つにまとめると、ぶるっくは手を翳す。
するとポッと火が付いたと思えば、矢はあっという間に燃え尽きて灰になった。ぶるっくが主に使用する能力は「炎」で、火を自在に操ることが出来た。
次にシャークんは鹿に手を翳した。すると地面からスルスルと緑のツルが伸びてきて、優しく鹿に巻き付く。そして巻き付いた部分がキラキラと黄色に輝き初めた。シャークんは「草」を主に使う能力者だ。ぶるっくはその一部始終をじっと見詰める。
輝き終わると、鹿の傷口は塞がっていた。次にシャークんは右手から小さな蜂のような虫二匹を召還した。この蜂は能力昆虫で、動物の血を無くなるまで吸い尽くす、吸血昆虫だ。仕留めた獲物の血抜きによく使われ、その場で血を吸わせることで新鮮なまま砦に持ち帰ることが出来る。
蜂は鹿に一匹ずつ留まると、鹿の首筋へ歯を突き立てた。
一分ほど経つと、蜂の腹は赤く染まった。血を吸い尽くしたのだろう。
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CA(プロフ) - クロウさん» コメントありがとうございます。直球なお言葉、とても嬉しいです...!! これからも読者様に楽しんでいただけるような作品を作っていきたいと思います、今後ともよろしくお願いします! (2020年4月28日 11時) (
レス) id: 8d937f2b1a (このIDを非表示/違反報告)
クロウ - 僕この話好きです！ (2020年4月27日 23時) (レス) id: 832b7f5fb6 (このIDを非表示/違反報告)
CA(プロフ) - green naverさん» コメントありがとうございます。個人的に大好きな実況者様方で書かせてもらってます! 能力戦は難しかったりもしましたが...笑 楽しんで頂けたら何よりです、応援ありがとうございます!(^^) (2020年2月26日 18時) (レス) id: 4ca6b68f3a (このIDを非表示/違反報告)
green naver - 面白いですね！特に我々ださんだけでなくミナツドさん方も出て来ているんですね！戦い途中など、分かりやすかったです！今後も頑張ってください！ (2020年2月26日 17時) (レス) id: 0ae479fb97 (このIDを非表示/違反報告)
CA(プロフ) - もみぢさん» コメントありがとうございます。お気づきになりましたか･･･そうです、ついに後半からはあの方々が出演致します･･･笑 ここからはアクションが多めとなりますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2020年1月14日 20時) (レス) id: 44e41f1df7 (このIDを非表示/違反報告)
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