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昨日のことが頭をよぎるが、ここで変な事を言って彼に何かしら警戒をされても仕方がない。
自分の周りだけにしっかり無効化を効かせて彼の座るソファに座ると、その笑顔が少しだけ崩された。

「Aは……どうしてここにいるんだ?」

「オッパが色んな方にご迷惑をおかけしているって聞いたから引き取りに来た。」

そんなペットみたいな言い方するか、と笑った兄は、それを誰から聞いたのか問うてきた。
別に隠すような事じゃないのでジコさん達Block.Bの面々だと伝えるとどこで、どうやって彼らと出会ったのか更に問われる。
一瞬面倒だとは思ったがこればかりは全て話さないと伝わらないので、私の高校時代の流れから今までをざっと話した。

「つまり、死んだと言われていた僕を探しに来たと?もう僕は死んだも同然なのに。
目撃情報は多分僕が病院にいた頃の話だろう。」

彼はソファに背を預け、ため息と共に小さく呟いた。
『何でここまで来たんだ』と。

「ジコヒョン達に聞いたなら、『もう1人』の僕のことも知ってるだろうから忠告しておくよ。

──日が落ちた後の僕には気を付けろ。」

え、そんな。だってもう、あと少しで日は全て落ちきってしまう。

「まぁ、時間がないから詳しいことはまたいつか──もう会うことはないと願うよ。」

ソファから立ち上がり私に背を向けて入口の方に足を進めるイェジュニオッパ。
言いたいことは山ほどあったが、今口を開いて彼の足を止めない方がいいであろうことは容易に想像がついた。
恐らく彼の人格は時間と共に入れ替わる。
その時間が今だということだろう、恐らく。

──と、私を猛烈な眠気が襲う。
意識を泥沼の底まで引きずり込むような、抗えない急激なものだ。

兄の能力であることは分かっている為、そのまま私は目を閉じた。


目を開けると、背の丈ほどの大きな水晶。
その中には人が閉じ込められている。とは言っても水晶に埋まっている訳ではなく、単にその空間に閉じ込められているといった雰囲気だ。
見覚えのある黒ずくめの服に、頑丈そうなマスク。
水晶越しに、視線が交差する。

近寄ってそれに手を触れると、脆い飴細工のようにそれはパリンと割れ落ちた。
マスクと帽子の隙間から、透き通った白い肌と、黒っぽい茶色の髪の毛が覗いている。

「‥‥Say my name.」

私はそれに、見覚えがあった。

「名──」

遮るように口を開く。

「ヨサン。
──あなたの名前はヨサンだ。」

すると彼の姿が、泡のように消えた。

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Tie(プロフ) - 初めまして。ateez目的で読み始めましたが、(地球滅亡の方と共に)とても好みの作品で1作目から何周もしています。もう更新されることは無いかもしれませんが、こんなに面白い作品を作ってくださりありがとうございました。楽しく読ませて頂きました。 (2022年9月3日 17時) (レス) id: 031775e238 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - かまみのさん» 初めまして、お褒めの言葉をありがとうございます。更新やレスポンスにお時間が開いてしまいすみません。本編終了後にはもっとじっくり彼らとの小話も書いていきたいですね……!コメントありがとうございました! (2020年10月10日 21時) (レス) id: 2ace97a462 (このIDを非表示/違反報告)
かまみの(プロフ) - めっちゃ面白い!NCT好きだから出てきて嬉しい (2020年9月2日 23時) (レス) id: 30d38f5d7d (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - オンマさん» 初めまして、温かいコメントをありがとうございます!最近忙しくて、前のように頻繁に更新できるかは分かりませんが頑張りますね!私もハマっているので同じ趣味の方がいらっしゃって嬉しいです^^ (2020年5月7日 1時) (レス) id: 959b48d95f (このIDを非表示/違反報告)
オンマ(プロフ) - はじめまして。 この話を見つけてイッキ読みしました^^ のめり込んでいます。 面白い。 頑張ってください。 私は、ATEEZにハマっています。 (2020年5月6日 21時) (レス) id: 51e1e6ee34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2020年5月2日 3時

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