Wake up from Dream!!

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多忙につき低速
＊

「それで、何かありましたか？
他にもどこから抜けたのか分かんないんですが私の連絡先を持ってるユウタさんと、マーク君と、ルカスとヘチャ二もしてきてたんですが。」

すると大きなため息がスピーカーから漏れ落ちた。

『何かあったのはそっちでしょ……だから俺らこんなに心配してるのに』

呑気なんだから、とテヨンさんは言うが何のことかさっぱりだ。
正直最近は毎日何かしらはあるし、今更という感じなのに。

『……俺の能力でつけた鎖、今どうなってる?』

「あぁ……少し変形してます」

そういえばと手首を見たら、やはり夢の時のようにチェーンが一部、ぐにゃりと曲げられたように変形していた。

『それ、感覚共有探知機みたいなものなのね、端的に言うと』

正確には色々複雑で、という彼の説明を掻い摘んでまとめればこうだ。

一つ、感覚共有の能力がある。
具体的に何があったとか、考えていることが分かるわけではなく、この鎖にかかった衝撃が、他にこれを付けている人へ伝わるようだ。

一つ、導く力もある。
そんな大層なものではないのだが、求めるものへと鎖そのものが反応し、探知機のような役割を果たすようだ。私がキャリーバッグを見つけたのは、恐らくこれのおかげ。

一つ、能力を相殺する力がある。
これはテヨンさんのもう一つの能力だそうで、私の鎖に上からかけておいたようだ。これは、気付かないところで使われた自分への能力を弾き飛ばして打ち消すものだそう。

つまり今回のケースはこうだ。
兄が私をユノ君の元へ行かせまいと使った幻覚の能力を感知した、テヨンさんの能力付きである鎖がそれを相殺した。
それによりバチンと鎖が変形した、その衝撃が同じく鎖を付けているNCTの皆さんに共有されたと。

『本当にビックリした、寝てたら腕で急に衝撃きたから。
昔はよくあったけど、今はそんなことないし。

だけど皆起きてみたら眠そうな顔したまま普通にしてるし。
一瞬誤反応かと思ったんだけど、ユタがAじゃないかっていうから試しに電話鳴らしたら出ないし……本当に焦った』

小さく聞こえた無事でよかった、という声は聞き間違えじゃないだろう。

『でも、気を付けてね。
俺の能力……相殺が働くのは一回きり。
まぁ最悪何とかしてそっちに行くけど、時間もかかる。ボーっとしちゃだめだよ、無効化使えるなら自分の周りだけでも使ってね。

それじゃ、また』


「ヌナ、お知り合いですか?」

「……あぁ、ユノ君。おはよう」

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