Wake up from Dream!!

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「おまたせ、特に誰も変化なかったよ。」

「あ、おはよーございますヌナ。」

サン君が説明をしかけたところで、ヨサン君とジョンホ君が戻ってきたのでまずは朝ご飯だと机にパンが並ぶ。

え?パン?缶詰じゃあなさそうだが、劣化した様子もない。

「お、驚きました?
これがさっき言った俺の能力です。
写真に写った食べ物が劣化しないように、俺の能力で封じ込めた物の時は止まるので、俺が目覚めた今なら色々食べられますよ。」

だからほら食べて、と差し出された小さなテーブルロールを口に入れる。
……本当だ。普通、というか出来たてみたいな強いバターの香りが鼻腔に広がった。

「そういえば、さっきの事だけど。
『そろそろヒョンもしんどい』ってどういうこと?」

「あー、ヌナは能力の基本はご存じですか?」

切られたバケットにジャムを塗りながらヨサン君が私に聞く。基本……というとハイリスクハイリターン、ということだろうか。

「はい、それです。
ヒョン……特にホンジュンイヒョンの能力はそれがとても顕著に現れるんですよ。」

あ、聞き覚えのある名前だ。先程ウヨン君の口からポロッと零れただけではあるが。

「確か……時間を止める能力の。」

「はい、それです。
俺が比較的遅めまで残ってたので説明しますね。」

頷いたサン君の説明をまとめるとこうだ。

兄の能力で閉じ込められている間は、現実世界ではずっと眠り続けているだけにすぎない。
つまり飲まず食わずで永遠に閉じ込められていたら、それこそ死んでしまう。
ジコさん達の時は彼の幻覚にしろ点滴が刺さっていたおかげで、彼らが目を覚まして幻覚だと気付くまでは体へ正常に影響していたが、今回は訳が違う。
更にしばしば能力を使い兄を抑えながら長時間不眠耐久を繰り返していたここの皆が健康体であるはずもない。眠り続けたりなどしたらすぐにその時は来るだろう。
それを防ぐ為に、ホンジュンと呼ばれた彼らの兄貴分は自分の能力を使って、眠ったメンバーの体の時だけを止めたようだった。

「ヒョンの凄い所は、ヒョン自身が気を失ったり、眠ったりしても能力の効果が持続されるところなんです。」

ちなみに時間系の能力は強力な部類だ。
まぁ当然だ、時を司る者なんてそうそういてはたまらない。
なのにそこまで仕上がっているなんて……

「その代わり、対象者の変化により解けやすいんです。そしてヒョン自身が能力を解く前にそれが解けると、彼の身体に負担がかかるようになってるんです。」

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