Wake up from Dream!!

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今回はしおり引き継ぎ上手くいってたよかった
毎度言いますがホラー要素はないです
どっちかというと推理系
＊


一応私は気絶した人を担げるくらいには鍛えていた……もう1年前のことだが。
だから自分のポテンシャルを信じて彼の脇下から体を滑り込ませたのだが……その体は想像以上に大きかった。確かに私は大柄な方でもないが……これは下手すると20cm位差がありそうだ。
当然そんな大きな人を運ぼうと思えば『担ぐ』というより『引きずる』形にしかならなくて。
緊急事態なので許せと彼に心の中で謝り、書斎の椅子まで引きずっていって座らせた。
本当はベッドがいいに決まっている、しかしないものはしょうがない。
そう、しょうがないのだ。ここまで体格差があると遠くまでも運べないし。

「……しょうがないよね。」

もう1度呟き彼から離れると、そのズボンから何かが見える。丁度ジャケットの裾で隠れている部分をそっと捲ってみる。
そこにはステイプラで留められた紙製のタグ。恐らく真ん中付近でちぎられていて『YUN』までしか見えないがこれは。

「ネームタグ……、あ。」

感じた既視感。
先程港で拾ったタグを出し、彼のものと合わせてみる。

「『YUN』『GHO』……駄目だ、合うけど合わない。」

英語表記でユンホ、と読めるしこの国の言葉でも表記は可能だが……破片の形が違う。それにGの前に見える謎の文字の端の辻褄も合わない。
ということはつまり。
この2つのタグは別物で、合うものがこの島のどこかにあるということ。

しかし、何でこんなものがついているんだろう。
恐らく今椅子へ座らせた彼が弟分さんの内の1人だろう。ネームタグなんかつけなくても互いの名前は分かる筈だ。ここに来て謎ばかりが深まるなぁ。

あ、そうだ。
個人的に気になるから、彼らの名前をジコさん達に聞いてみよう。
そう思い携帯端末を起動すると。

「ネット圏外……嘘でしょ。」

調べると1つネットワークが見つかったが、パスワードが掛かっていて使用できない。
恐らくここの人達はこれを使っていたんだろう、どうせ誰も来ないんだからセキュリティなんていいだろうに。
文句を言ってもしょうがない、少しでも何か手掛かりを得よう。

書斎の机と、床に散らばった書類を手に取り眺める。

『チェ イェジュン 能力:幻覚、夢現
反動:人格分離、依存』

『どちらの人格にも理性、感情は存在。
　どちらも自分の存在を明確に認識できている。』

『※ヒョン達の能力は効果がなかった
→なぜ?』

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