Wake up from Dream!!

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もうすっかり慣れた意識が沈む感覚に閉じた目を開ける。
辺りをきょろきょろと見るも、誰の姿もない。

『それにしても、なんでAヌナは夢の世界に毎夜毎夜入るんでしょう。ヒョン達の時と言い、今の俺達と言い、その条件である能力の発動は見てないのに。』

寝る前にヨサン君が口にした疑問を思い返す。もしかしたら私が近くにいることでその発動条件が変わってしまったのかと思ったが……まぁ彼らが巻き込まれていないようでよかった。

「……さて、始めるか。」

手の中に納まっている携帯端末を起こし、マップアプリを開く。この世界に物を持ち込む術は少し前、テイルさんとの一件で理解していた。
ジコさんは、一見見たことないと思われていたこの夢の世界は1つの空間になっていると教えてくれた。ということは端末の位置を読み込ませればここのマップができるはずなのだ。

現に……ほら。
私の端末位置の周りに地図の断片のようなものが浮き出ている。ここ以外にも断片的に地図らしき座標が見える。ここは恐らく昨日一昨日で訪れた場所だろう。つまりこの地図を順に埋めていけば、皆さんは見つかる。

彼らが動く可能性もあるかと考えたが、その可能性は低いだろうと目覚めた3人は言った。何でもあのマスクを着けているうちは能力も使えない上に、ずっとそれを使い続けたような、反動とは違う独特の疲労感を感じるらしく。シンプルに息苦しいのもあって、この空間に長い彼らは疲弊しているに違いないと口を揃えて述べた。
ウヨン君が私の前に姿を現したことについては恐らくその付近にいたか、何らかで私というイレギュラーの存在を認知したのではないか、と結論づいた。
それならばあの場所に戻れば、彼と出会える可能性もある。地図の欠片は2か所、そこに向かって歩き始めることにした。

……そういえばさっきジコさん、ジェヒョさんがどうとか言ってたな。

『ねぇ〜今更とかアリ?俺眠たい。』

なんと、夢の中の私にも干渉できるのか。聞き覚えのある、どこか拗ねたような声に思わず肩が上がる。
……にしても眠いなら無視してもよかっただろうに。

『当然だよ、寝てようが何だろうが体を支配することはできる。
俺も無視しようかと思ったけどさぁ、永遠に俺のこと思い出さないでしょ。俺も心配してたんだよ。勿論他の奴らも。

だからAにいいこと教えたげる。
この夢の世界は現実時間の10倍の速さで時が流れる。だから、仮にAが8時間寝るなら48分がリミットだよ。』

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