趣味が合う者はよき理解者 ページ22
＊
｢バカなんですか?｣
｢……おっしゃる通りで｣
どうにか身体が動かせるようになってきた頃に事情を話せば、呆れられた。(鬱さんは｢あとは2人でごゆっくり〜｣と言って消えた)
一応貴方とは初対面なんですが。結構ズバズバ言うなこの人。それとも、私が文字通りのバカだから礼儀は要らないってか。
オイどうすんだよ…もうどうだっていいや。
トマト食べよう。
籠に入っていた一つを掴み早速齧り付く。｢ワイルドぉ…｣と呟いてたのを聞き逃さなかったぞ私は。
彼の名は、ひとらんと言うらしい。曰く度々拠点には顔を出しているとのこと。ただ、顔を出す時間帯が普段任務をこなしている頃なので会わないのも当然と言っちゃあ当然か。
やはりというか、農業は趣味だった。
｢へぇ、そうなんですか。実は私もなんですよ｣
｢えっ…?!｣
驚かれた。
…見た目に反して似合わないってか?
趣味と言っても弟のを手伝う程度だが。…あ、でも重機の免許は持ってた気がする。
ポロッとそんなことを零すと何かヤケに目を輝かせたひとらんさん。
｢俺、いつか小麦作ってみたくて｣
｢……そうなんですか｣
……何か急に夢語り始めた。
このご時世、第三次産業ではない、第一次産業に興味を示すとは珍しい。今やってるじゃないですかとは言えない。彼が作りたいのは此処ではない、現実世界のことだから。
幾つになっても夢を見るのは大切なことだ。
丹精込めて作った小麦は陽の光を浴びて根を張り、やがて種子を実らせる。鍬を片手に、荒れた地を耕し小麦畑に変える。……それはそれで見てみたい。
｢…叶うといいですね｣
在り来たりな大して捻りもない言葉。けれどもバツ印のマスクから垣間見える目は確かに笑っていたのだ。
――叶えてやる、とでも言うように。
.
後々、彼とは身の上話をするまでになるのだけど。それはまた別の話。
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うゅ - いつまでも更新待ってます！ (2019年7月6日 2時) (
レス) id: cb2d6bad92 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - もふまる。さん» ありがとうございます！好きなものの組み合わせは最高ですよね！ (2019年6月13日 1時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
もふまる。(プロフ) - わぁお。好きなもの×好きなものは最高だな。続き待ってます！ (2019年6月13日 1時) (レス) id: 3071cca8f8 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - うゅさん» ありがとうございます…!!ようやく初コメが!!((好みだと思って下さって本当に嬉しいです！更新頑張ります！ (2019年3月24日 14時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
うゅ - 初コメ失礼します! こういうのめちゃくちゃ好みです! 更新がんばってください！ (2019年3月24日 13時) (レス) id: 147b122877 (このIDを非表示/違反報告)
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