第十三話、腕置きに丁度いいらしい ページ15
返答に困っていると急に部屋のドアが開いた。
ガンッとあり得ないような音だったので体が跳ねる程驚く。
ドアの向こうにはスーツに身を包んだジェイドとフロイドがいた。
フロイドが乱暴に開けたからあのような音になったのだろう。
そう気付いて安心した。何か変なモンスターとかが来たのかと思った。
「ねぇ〜ねぇ〜」
そう言いながらフロイドがAの座っているソファに近付いた。
何だ、と思って彼の方を見ると、ずいっと顔を近付けてきた。
これにも驚いたAはソファの端へと退く。
その反応を見たフロイドは面白そうに笑い、口を開いた。
「エンゼルちゃんさぁ〜？さっきなんでもするって言ってたじゃん？」
「フ、フロイドさん…それは……」
慌てて彼の方へと寄り、口を塞ごうとするも、勿論アズールには聞かれたので。
「それでは働いて頂きましょうか」
「うぅ…」
…またもや強制的に、働くことになりました。
………………
「まず明日の為に服の確認を。ジェイド、お願いします」
「ちょっと待って頂いてもよろしいでしょうか…」
咄嗟に立ち上がって近寄り会話を止める。
横からフロイドが何でそんなに硬い話し方なの、と言われたものの、ほとんど無視。
「服って今ジェイドさんとフロイドさんが着ているようなものですか？」
「いいえ、僕が特注で既に用意しましたよ。別にそちらが良ければそちらでもいいですが」
それを聞き、やはり元から自分を働かせるつもりだったのだと思う。
しかも“特注で既に”。きっと断っても働かされただろう。
ただの恩返しと思うことにしょう。
そうしないと…もう…混乱して辛い。
と、思ったときに頭がずしっと重くなった。
顔を向けることが出来ずとも誰かはわかる。
フロイドがAの頭を腕置きにしているのだ。
度々されるのでもう慣れた。
本人曰くこの高さが丁度いいらしいが、今のフロイドの行動は
先程無視されたので少し怒って構って欲しいという気持ちの現れだろう。
「では僕に着いてきてください」
あまり気持ちが上がらないまま、VIPルームを後にした。
うぅ……働くのだってそんなに悪くない…と思う。
いつも自分だけの空間でのんびりと勉強していた罰か……
働くのが大変になると気付いていないのはこの時の私だけ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛雪(プロフ) - ヒバナさん» いつか来るってわかってたけども帰れ← お気に入り登録はありがとう← (2020年7月11日 21時) (
レス) id: b7b3ee48e0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバナ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったのと、凛雪の好み詰め込んでんなぁって思ったのとヴィル様出してくれてマジ感謝←お気に入り登録しとくね〜← (2020年7月11日 21時) (レス) id: 4ed4c826df (このIDを非表示/違反報告)
凛雪(プロフ) - ゆきなさん» 本当ですか！？ 私もフロイド好きです！ 性格など頑張りますね。 (2020年4月17日 9時) (レス) id: 21ba262ac5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - フロイド好きです！ (2020年4月17日 2時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
凛雪(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます！ ラギー君です！ 口調とか頑張ってます… 読んで下さりありがとうございます！ (2020年4月16日 16時) (レス) id: 58b35323d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
