第十二話、完璧な正論 ページ14
「丁度VIPルームが空いています。どうぞこちらへ」
そう言われて『モストロ・ラウンジ』の奥へと案内されるA。
案内されているときに立ち止まり、こんなに広いお店なのだと呆気に取られていると、
三人に強制連行された。
VIPルームの中は少し狭い。といっても何人も人が入れそうなくらいの広さはあった。
壁には本棚があってびっしりと本が詰められている。
入り口の向かい側の壁にはとても大きな金庫のようなものになっていた。
そして部屋の中央にソファが向かい合ってあり、間にテーブルが一つ。
また、そのソファなどの向こうには大きな机があった。
恐らくそこでアズールはここの経営をしているのだろう。
「さぁ、どうぞこちらへ」
と、アズールに言われてソファに座る。
もう一つのソファにアズールが座っているが、静かで妙な緊張感がある。
因みにあの兄弟はここに着いた後に着替えて来ます、と言って何処かに行った。
制服だったからかな。
「漸く、僕の契約書にサインすると決めましたか？」
「絶対しませんよ？？ 今日だって強制的に連れてこられただけですし」
「知ってますよ。それよりも本日は僕の方からお願いがありまして」
口元だけ笑っていたアズールが今度は真剣な顔になる。
なんだろう、とそれに釣られて自分も更に緊張した。
「明日から3日程ここ、『モストロ・ラウンジ』で働いていただけませんか？」
それを聞いて三秒ほどの沈黙。
それをAが破る。
「え、あ……働く…？」
「ええ そうです。実はオクタヴィネル寮生の一人がなんと補修に引っかかりまして。
それで“自分から”なんと“善意”で働いてくれる人を探しているところなんです」
先程の真剣な顔からまた笑顔な顔へと変わっている。
兎に角圧が凄いため今すぐにでも逃げたい。
勿論逃げられる筈がないのだが。
取り敢えず自分の意見を言ってみる。
「…それでなぜ私が……？ そもそも自主制なら嫌ですよ…？」
「おや、つい先程、ジェイドにフロイドから助けて頂いたという方はどなたでしょう？
貰った恩は返すのが普通ではないですか？」
先程からの圧が更に大きくなる。
いつの間にその話を聞いたんだというのが私が最も聞きたいことだが、それは呑み込む。
それより、彼、アズールの言葉に全く矛盾がない。
完璧な正論。
…恐らくこれが目的であの兄弟も来たんだろうが。
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凛雪(プロフ) - ヒバナさん» いつか来るってわかってたけども帰れ← お気に入り登録はありがとう← (2020年7月11日 21時) (
レス) id: b7b3ee48e0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバナ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったのと、凛雪の好み詰め込んでんなぁって思ったのとヴィル様出してくれてマジ感謝←お気に入り登録しとくね〜← (2020年7月11日 21時) (レス) id: 4ed4c826df (このIDを非表示/違反報告)
凛雪(プロフ) - ゆきなさん» 本当ですか！？ 私もフロイド好きです！ 性格など頑張りますね。 (2020年4月17日 9時) (レス) id: 21ba262ac5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - フロイド好きです！ (2020年4月17日 2時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
凛雪(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます！ ラギー君です！ 口調とか頑張ってます… 読んで下さりありがとうございます！ (2020年4月16日 16時) (レス) id: 58b35323d4 (このIDを非表示/違反報告)
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