手向け ページ32
私とリーマスは、ある小高い丘に来ていた。
ここはクリスティ家のお墓があり、代々受け継がれている場所だ。
そして、今日はお兄ちゃんに手向けの花を供えに来ている。
まだ新しい墓石に花束を置くと、目を瞑って手を合わせた。
リーマスも同じようにしている。
ごめんねお兄ちゃん。こんな妹で。許して欲しいとは思わない。
私にはそんな資格がないから。でも、少しでも私のことを思ってくれているのなら、
どうか空で、私を優しく見守っていて。
私はしばらくお墓の前で立っていたが、その場を去った。
少しの間無言が続いて、やがて一軒の家の前に着く。
私がゆっくりその家の扉を開ければ、1人の男の屋敷しもべ妖精が出てきた。
「……？ユーリお嬢様！！こんなに美しくなられて。私はとても嬉しゅうございます。
この時をどれほど待ち望んでいたことでしょうか…。さあ、お入りください。」
クリスティ家に代々仕えている、キルトだ。
「久しぶり。キルト…。お嬢様はやめて。今日はお客さんもいるからね。」と私は言う。
「こんにちは。私はクリスティ家に仕えさせてもらっている、キルトと申します。
どうぞお入りください。お名前を伺ってもよろしいでしょうか？」キルトがそう聞くと、
「リーマス・ルーピンだよ。」とリーマスはにっこり笑って言った。
「では、ユーリお嬢様とルーピン様、どうぞお入りください。」
直ってないけどまあいいか。私はゆっくり家に入った。私が10歳まで暮らしていた家だ。
キルトが掃除してくれていたお陰か、とても綺麗。
お兄ちゃんは生前、自分に何かあったら私にこの家を譲るように、おばあちゃんに言ってくれていたらしい。
お父さんとお母さんが死んだあと、おばあちゃんはいつでもここに私が戻れるように、
キルトにここの管理を頼んでくれていたらしい。
2人のおかげでこんな良い状態の家に、私は戻ってくることができたのだ。
「キルト。私はこの家に戻るよ。だから、はおばあちゃんの家に行ってあげて。
今まで本当にありがとう。また会いに行くからね。その時まではさよなら。」
私がそう言うと、キルトはかしこまりましたと言って消えた。
「少し広すぎますかね？」と私がリーマスに尋ねれば、
「まあ、赤ちゃんが生まれたら賑やかになるよ。」とリーマスは言う。
「それもそうですね。」と私は頷いて、自分の部屋に入った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒バイ(プロフ) - しらす。さん» 私もやってます！ (2018年5月7日 21時) (
レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
しらす。(プロフ) - 黒バイさん» そうです！ (2018年5月7日 21時) (レス) id: 83696c3d48 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - ハリーポッターのゲームというのは携帯アプリのことですか？ (2018年5月7日 16時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
しらす。(プロフ) - 霧崎さん» 私の作品を読んでくださり、ありがとうございます。そういうことを言って頂けて、本当に嬉しいです。無理しないように頑張ります。 (2017年12月29日 23時) (レス) id: d770bdf746 (このIDを非表示/違反報告)
霧崎(プロフ) - この作品の柔らかな雰囲気が心地よく、好きでした。いつまでも待っていますので、無理をなさらないようにしてください。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 6ee8c035df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらす。 | 作成日時：2017年7月30日 20時
