お姉ちゃんは最強、なんだぞ。【新村コウ】【霜月ユキナリ】

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私が引いたカードは……


…羊だった。


「今、お前たちに配ったカードは2種類ある。
羊のカードと狼のカードだ」


皆が引き終わった頃を見計らって、ウルフは説明を続ける。
だが、次の瞬間出た言葉は、あまりにも衝撃的なものだった。



「突然だが、狼のカードを引いたモノは……

…羊を1匹殺せ。」


その言葉に私は思わず息を詰まらせる。


つまり、それは、誰かが誰かを殺さなければならないということで。

私たちは閉じ込められたこの施設で、誰かに殺されるかもしれない恐怖を抱きながら行動しなくてはならないということだった。

ウルフは更に恐怖を募らせるような言葉を続けた。



「そして12時間後に狼裁判を開く。
そして狼が誰なのかを推理し、1人選んで処刑しろ」



狼は1人殺さなければならない。
羊は1人処刑しなければならない。


急に放り出された命をかけたゲームに、私は泣き出したくなった。だが、私は震えそうになった手を思わず強く握りしめ震えを防ぐ。



……ダメだ。
私の弟は隣の席で、顔を青白くさせている。
弟が怖がっているのに、私が不安がってちゃ駄目なんだ。



お姉ちゃんは最強だから。

だから。





私がユキを守らなくちゃ。

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