STORY 5 ページ5
その日の午後、マーロンは久しぶりに外へ出た。本を読むのは大好きだが家でじっとしているのは退屈でもある。それに女の子ならともかく、十歳にもなって『女の人が怖い』という理由で外出出来ないのは我ながら恥ずかしいとも思っていた。もし遭遇しても脇目も振らず足早に通り過ぎれば大丈夫だ。マーロンはそう自分に言い聞かせた。
「おや？ ヒューイットさんとこの息子じゃないか。久しぶりだね」
「こんにちは」
誰だろう、知らない人だ。向こうは知っていたみたいだけど。
「あ、ちょっとあんた聞いてよ。昨日なんかうちの旦那がまあみっともなく酔い潰れてさ」
「最近野菜が値上がりしてるらしいじゃないか」
「あそこに住んでる娘が男連れ込んでたよ。窓開けっ放しで何やってたのかねぇ」
「どうか、お恵みを」
「ここんところ負けっぱなしだ。もう何も賭けるもんがねえや」
「そこのお嬢ちゃん、面白い物があるんだ。怖くないよ、こっちへおいで」
今日もいろいろな声が聞こえてくる。明るいものとそうでないもの。楽しそうな音と危険な音。
「おい、知ってるか。サフォークで魔女狩りが行われたんだと」
ふと、聞き覚えのある名前を耳にしたマーロンは足を止めた。見れば二人の男が酒瓶を片手に話し込んでいる。サフォークといったら前に住んでいた町ではないか。それに魔女狩り？
「結構な数の女が処刑されたらしいぜ」
「嘘だろおい。だいたい魔女なんて本当に存在するのかよ」
「俺も見たことはないけど、居るんだとしたら……」
「この町って清教徒が多いだろ？ もしここで魔女狩りが行われたらすごいことになりそうだな」
「魔女といえば、スティーブんとこの奥さんおっかなくねえか？ 前に一度だけ夜に家の前通った時、金切り声が聞こえてきてよ、次の日スティーブの奴顔に痣作ってたぜ」
「マジかよ。一体全体なんでそんな女と結婚したのやら。あの家にはガキが一人居るらしいじゃねえか」
「そういえばそのガキも顔に傷作ってたような気がする。俺はクラウディアだけは本当に魔女かもしれねえと思ってるんだ」
「案外そうなんじゃねえか？」
なんとなく居心地が悪くなり、その場を離れようとした時男の一人がこう言った。
「そうそう例の魔女狩りを始めた奴、この町にも来るらしいぞ。確かそいつの名前はマシュー・ホプキンス。通称、“魔女狩り将軍”」
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田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» ただでさえ無実の女性を平気で殺しまくってる人ですからね。どこかもう自分でもどうしようもできないほど壊れてるんです。 (2017年6月5日 20時) (
レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 田無苑珠さん» もう色々とアレな人になっちゃってますねミスター・マシュー (2017年6月5日 20時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» 読んでくれてありがとうございます！はい、言いましたw……と、言っても実は恋愛という意味ではなくて、本人もよく分からない感情をマーロンに抱いてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 面白いです！マシュー、……あ、愛してる…って言いました……？ (2017年6月5日 10時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - ロイヤルストリートさん» ありがとうございます！好きになってくれて嬉しいです (2017年5月23日 13時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：田無苑珠 | 作成日時：2017年5月5日 13時
