Urban Legends (ページ8)

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「良し！そうと決まれば、今から社員たちに会ってもらうから。舘様、今事務所には何人居る？」

「全員居るよ。今から仕事がある人は居ない」

　外のプレートを『準備中』に変えながら店員さんが答えた。人数がわかるってことは、どうやらここを通らないと事務所には行けないのだろうか。この人もここに住んでいるのかな？僕も家賃節約のために住み込みたいしとても気になる。

「そっか。じゃあ着いてきて。可愛い可愛い新入社員の村上君？」

「うわ、胡散臭い」

「うるせーな」

　三人に連れられてバックヤードの扉をくぐる。そのまま進むと、小さめの扉があった。

「屈んだほうがいいよ。頭ぶつけちゃうから」

忌々しげにつぶやく目黒さん。どうやら何回も被害に会っているらしい。扉を屈んでくぐり抜け、階段を降りる。店舗自体が地下にあるのに、さらに下があるのか。でも秘密基地っぽくて楽しい。折りきった先には『なんでも屋 Folklore事務所』のプレートが掛かった扉があった。僕の前にいた所長さん……深澤さんがおもむろに振り返る。

「ようこそ『なんでも屋 Folklore』へ！」