Urban Legends (ページ7)

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その時喫茶店の時間が止まった。三人のうちの誰もが所長さんの話を理解出来ていなかった。だって誰でもそうだろう。依頼達成の報酬を貰わず、あまつさえ依頼人を雇うなんて今まであっただろうか。

「この子にうちで働いてもらって、その給料から少しづつ今回の依頼料を貰う。この子は職にありつけるし、俺たちは人手不足が解消出来る！ほらWin-Winじゃん？あ、住み込むことも出来るよ」

「……うちが人手不足かは置いといて、ふっかの言いたいことは判った。でも、この子にそんな素質があるとは……」

「あるよ。それは断言出来る。『アレ』を託せるだけの素質が、この子にはある」

「……ふっかが其処まで言うなら俺は止めない。でも決めるのはこの子だからね」

「流石に『アレ』はやばいと思いますけど……。俺もこの子ともう少し話したいなって思っていたので、入ってくれるのは嬉しいですね」

「絶対に入ってくれる。何故なら君はもう『こちら側』だからね。それに、これからのことを考えたら、断ったら損だし」

　所長さんの言う通りだった。新しい仕事を探そうにも、僕の学歴だとまず見つからないから。それに今多分脅迫されてる。入れって言われてる。後、目黒さんも店員さんも優しそうな人だし。住み込みで働けるらしいし。……断ったら後が怖いし。

「わかりました。よろしくおねがいします」

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