小日向穂積 (ページ2)

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2話ページ2

ここからだとよく見えるんだ

自分の中でキッパリ諦められると思ってた

「なーんでここまで引きずってんだろ」

そんなことを一言溢すと同時にガタンと扉が開く音がして振り返る

「あ、久我さん」

「ひさしぶりだな」

うん、久しぶりって返事をすると私の斜め後ろに座った久我さん

「そーいえば、工藤はなんでここに良くいるんだ？」

聞かれてしまったとうとう！！なんて思いながらうーんって返事する

「ストライドやってたって話は結構前にしましたよね？」

「あぁ、聞いた」

実はと私は言いながら服の袖を胸下まで上げる

最初は恥ずかしそうにしていた久我さんもその体を見て青ざめていく

「おい、それは、、」

「はい、ストライドでやりました。」

高1の春にユースの試合があったんです。ただ相手が悪かった
そう私が口にするともしかしてと言った

「あー、はい、去年ユースの大会の準優勝の白川校です。」

「でもどうやったらそんな怪我になるんだ」

「私、3走目で相手が小泉莉子」

その名前を出すと久我さんの顔が歪んだ

「小泉莉子ってそんなに強くないよな？だから確か相手色恋しかけたり、色々小賢しいことやってる奴だよな」

「そうなんです、まぁでも私がいたチームは私含め2人女の子だったんでそーゆーのはあんまりなかったんですけど、ただリレー中にやってきたんです」

「まず私が2走目の子とのリレーションの前準備してる時に見えないところで喧嘩ふっかけてきて」

思いっきりここに壁がと右腰を指す

「えげつないことするなそいつ」

と悔しそうな顔をする久我さんに自分のことじゃないのにと私は笑った

「でも、その後私が平然と走って行ったんですけど抜かしたんです最後の最後テイクオーバーゾーンに差し掛かった時に。それがいけなかった並んだ瞬間に思いっきりさっきぶつけたここに肘入れてきて」

激痛でそのまま走った勢いも止まらずこけた先が

「4走目の悠木くんのまえでした。悠木くんは私を見て焦ってはいたけどうまく避けて繋いでくれてあとは結果の通り優勝」

「だけど私は脇腹の痛みがひどくそのまま病院に運ばれて、一応打撲で何にもないって言われたけど、痛みは暫く残ると思いなさい」

そう言われストライドに後悔と恐怖を残して私は身を引くことにしたんです

そこまで言うと教室の扉の方からガタンと音がしてそちらの方を向いた

「工藤さん一緒にストライドやろう」