８３話 ページ42
「白蘭様、またあの患者が脱走しました！」
あのブルーベルの担当医からまた連絡があって、すぐに本部を出た。
まったく…また懲りずに学校のプールで泳ごうとしてるのか。
この間ブルーベルを助けた場所へ行くと、予想通りブルーベルがいた。
「何してるの？」
「にゅっ！？びゃ、白蘭…」
「ダメじゃないか、勝手に抜け出しちゃあ」
「にゅ〜…」
プールに飛び込もうとしていたブルーベルをしかる。
…二度と泳げないその足で泳いだら、またおぼれかねない。
でもその現実はまだ彼女には酷だからボクはまた嘘をつく。
「治るまで我慢してなきゃ」
二度と治ることのない、ここに来るために傷だらけになった足を見て言う。
車いすを出さないように指示して正解、ってとこかな？
きっと足には何の感覚もないことだろう。
「ブルーベルは泳げるもん！」
「でも足…」
「そんなことない!ブルーベルは泳げるの！」
ほら見てて、と言って飛び込もうとする彼女の腕をあわててつかむ。
泳げないったら泳げないのに…！
「白蘭、離して！」
「だから駄目だって」
本当は泳ぎたいって気持ちもわかるよ、ブルーベルは泳げなきゃブルーベルじゃないんでしょう？
「ほら、今日はおとなしく帰るよ」
その場から動こうとしないブルーベルに呆れて抱き上げて横抱きにする。
俗にいうお姫様抱っこ。
ブルーベルはとても軽くて、普段少しは鍛えているボクからしたら抱き上げるのは簡単なことだった。
「お…下して！」
「ダーメ。下しても歩けないでしょ？」
「にゅうぅぅ…！」
悔しそうに顔をゆがめ、口をとがらせる。
「…ブルーベルは、泳げなきゃいけないのに…」
ボソッと彼女は悲しそうにつぶやいた。
…分かってるよ、君は…
「お兄ちゃんのために、泳がなきゃいけないんだろう？」
ボクはその単語が禁句とは知らずに発してしまった。
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夜琉(プロフ) - ベルとジル流石歌後になってますよ！ (2014年11月24日 21時) (
レス) id: c02cdeb624 (このIDを非表示/違反報告)
鎖龍 - 剣姫さん» なんならタメでいいですよ♪敬語は堅苦しいので!! (2013年12月30日 9時) (レス) id: fa944c6544 (このIDを非表示/違反報告)
剣姫(プロフ) - 鎖龍さん» 正ちゃんは本当は怒るのは嫌なので冷めるのは早いですねwありがとうございます、頑張ります！ (2013年12月26日 11時) (レス) id: dc7c621dd0 (このIDを非表示/違反報告)
剣姫(プロフ) - MiAさん» この世界の正ちゃんは騙されやすそうで騙される子だと思ってますのでw (2013年12月26日 11時) (レス) id: dc7c621dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鎖龍 - 剣姫さん» 正一君、怒りの沸点が低くても(多分低くないけど）冷めるのは早い…？面白かったですｗ更新頑張ってください♪ (2013年12月25日 10時) (レス) id: fa944c6544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣姫 | 作成日時：2013年11月28日 10時
