７９話 ページ38
さて…またまた来ちゃったよ、病院。
彼女が発狂して親が帰るまで叫んでたって…
…まぁ受け入れがたい真実だし仕方ないと言えば仕方ない。
病院に入ってまっすぐブルーベルのいる病室へ向かう。
「ホーント、ブルーベアだけだよブルーベルをわかってくれるのは」
「！」
彼女の病室に入ろう、というところで声が聞こえた。
可愛らしい、拗ねた声。
そっと中をのぞくと、先日無人の夜中の学校のプールから助けた女の子が熊の絵の描かれたコップに話しかけている。
「どーして、人間ってわかってくれないのかなー。言うことはいっつも同じ」
なーんにも変わろうとしないの、と語り続ける。
何やら深い話を語りかけているらしい。
…確かに、人間て物分り悪いよなぁ、と思ってそのまま耳を傾け観察を続ける。
「ブルーベアとぜんぜん違うよねー」
そういって彼女はコップを眺めた。
…否、彼女が見つめているのはコップに入った『水』、かな？
「ブルーベアはわかってくれるよね？だってブルーベアは違うから」
ブルーベルと……同じだから。
優しい、穏やかな目でコップ…いや、水を眺める姿は柔らかい雰囲気をまとっていた。
静かな空間が広がる。
「…そろそろ入ろうかな」
そう思ったその瞬間。
「ブゥ―――――だ！」
突然の大きな声にびっくりして踏み出しかけた足を引っ込める。
「な、なに…？」
「昨夜はちょっと調子悪かっただけだもん！」
コップに注がれた水に言い訳する彼女がかわいくて思わず笑ってしまった。
「ずっと、こんなまっシロシロな部屋にいたから、身体がなまっちゃっただけだもん！」
そういってもぞもぞベッドから降りようとする素振りを見せた。
ちょ…危ない…！
「筋肉がちょっと足りなくなっちゃっただけだもん！だから鍛えないと！」
ベッドから床に足を下す。
彼女は立てない。
そうわかっていたので急いで部屋に入り倒れそうな彼女の駆け寄る。
「ブルーベア！！！」
一生懸命彼女が手を伸ばす、落ちそうなコップと彼女をギリギリで抱えた。
危ない危ない…
「あ……」
ふとこちらを見上げる彼女の顔には驚きの色が出ていた。
まぁだろうな〜…
突然この間自分を助けた人間がまた登場したんだもんね。
「大丈夫だった？」
一応助けてはいるけど、どこかぶつかったり痛いところはないか確認する。
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夜琉(プロフ) - ベルとジル流石歌後になってますよ！ (2014年11月24日 21時) (
レス) id: c02cdeb624 (このIDを非表示/違反報告)
鎖龍 - 剣姫さん» なんならタメでいいですよ♪敬語は堅苦しいので!! (2013年12月30日 9時) (レス) id: fa944c6544 (このIDを非表示/違反報告)
剣姫(プロフ) - 鎖龍さん» 正ちゃんは本当は怒るのは嫌なので冷めるのは早いですねwありがとうございます、頑張ります！ (2013年12月26日 11時) (レス) id: dc7c621dd0 (このIDを非表示/違反報告)
剣姫(プロフ) - MiAさん» この世界の正ちゃんは騙されやすそうで騙される子だと思ってますのでw (2013年12月26日 11時) (レス) id: dc7c621dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鎖龍 - 剣姫さん» 正一君、怒りの沸点が低くても(多分低くないけど）冷めるのは早い…？面白かったですｗ更新頑張ってください♪ (2013年12月25日 10時) (レス) id: fa944c6544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣姫 | 作成日時：2013年11月28日 10時
