６７話 ページ23
夢の中に現れた自分は、悲しそうに笑った。
「君はいったい誰？」
と尋ねると、
「ボクは君で君じゃない」
と答えた。
そんな曖昧な答えになぜかボクは納得した。
ボクは、あんなふうに笑ったりしないから。
…少なくとも今は、ね。
「君はこれから何をするの？」
今度はボクが尋ねてきた。
「世界征服、かな？」
ボクがこう答えると、ボクは哀しそうに目を伏せる。
どうして？
「…世界を手に入れて、叶えたいことって何？」
また尋ねてきた。
叶えたいこと…そうだな、世界を手に入れたら…
「世界が…他の世界とは違う景色にするんだ」
力強くそういうと、少し安心したような、しかし困ったような微妙な顔をした。
「どうしてそんなことを聞くんだい？」
今度はこちらから尋ねると、柔らかい微笑みが返ってきた。
「…やっぱり、君とボクは違かった」
でも、と付け加える。
「本当は優しい人でよかった」
ボクでもこんな顔ができるんだ。
そう思ってボクはボクに手を伸ばす。
「今から君は、自分の過ちに気付かずに堕ちる」
ゆっくりボクに歩み寄ると、ボクも同じように近づいてきた。
「…間違った優しさは不器用の証」
にっこりを笑ったボクに手が触れあう。
「守りたいものを守るために、壊すのはだめだよ」
子供をあやすように話しかけてきた。
その言葉に目を閉じる。
「でも…君が、たった一人でもボクが守るべきもの、道標を見失っていなくてよかった」
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夜琉(プロフ) - ベルとジル流石歌後になってますよ！ (2014年11月24日 21時) (
レス) id: c02cdeb624 (このIDを非表示/違反報告)
鎖龍 - 剣姫さん» なんならタメでいいですよ♪敬語は堅苦しいので!! (2013年12月30日 9時) (レス) id: fa944c6544 (このIDを非表示/違反報告)
剣姫(プロフ) - 鎖龍さん» 正ちゃんは本当は怒るのは嫌なので冷めるのは早いですねwありがとうございます、頑張ります！ (2013年12月26日 11時) (レス) id: dc7c621dd0 (このIDを非表示/違反報告)
剣姫(プロフ) - MiAさん» この世界の正ちゃんは騙されやすそうで騙される子だと思ってますのでw (2013年12月26日 11時) (レス) id: dc7c621dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鎖龍 - 剣姫さん» 正一君、怒りの沸点が低くても(多分低くないけど）冷めるのは早い…？面白かったですｗ更新頑張ってください♪ (2013年12月25日 10時) (レス) id: fa944c6544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣姫 | 作成日時：2013年11月28日 10時
