幸福論 =4=

Episode.170 ページ28

なんでここにいるんだろう。それも、驚いたことに全員いるじゃあないか。おかしいだろう。こんなのみんなには関係ない。Aでさえ、ブチャラティ達と接触して、それであとはブチャラティ達に任せようと、そう思っていたのに。なんで……


｢お前なら必ず、誰がなんと言おうとブチャラティ達に会おうとすると思っていた｣

｢うぐっ……それは、大変申し訳ないと……｣

｢ブチャラティ達がどうなろうと知ったことではないが、お前に何かあっては困る｣


随分な言い様だが、そういうところが好きだと思う。大事なものだけ抱えて、あとは捨てる。それは自分の考え方と少し似ていた。その大事なものに、自分が含まれているのが嬉しかった。


｢テメェはッ！なんですぐ！どっかに行くんだァ〜〜！？おい！？いい加減にしねェとまじで首輪つけるぞこのクソッタレ！！｣

｢ああ！ギアッチョだぁ！｣


口は悪いのに抱き締めてくれるあたり本当にギアッチョだ。嬉しくて抱きしめ返すと、グイッと間に誰か入ってきた。


｢怪我は大丈夫なのか？おいギアッチョ、怪我人はもっと丁寧に扱え｣

｢A、ずっと船の上で辛かったんじゃない？もうあんな奴らとはさっさと縁切っちゃえって｣

｢ソルベありがとう、怪我は大丈夫。ジェラートの言う通り、切れるなら切りたい縁だよ……｣


なんだか二人と話すのが凄い久しぶりに感じるが、実際かなり久しぶりだろう。色々あって、全然会えていなかったから。ソルベとジェラートに圧倒されていると、足に何かがくっついてきて見るまでもなくそれが何か分かった。


｢メローネ！なんなの、足から離れて！ていうか触り方がなんか気持ち悪いっ！！｣

｢俺だって抱き着きたかったのにさぁ、怪我とか言われちゃうともう足に抱き着くしかないじゃないか｣

｢は、ちょ！離してよ！！太もも触んないで！離してー！！！｣


なんかどんどん足に抱き着くという表現が正しくなる。必死に引き剥がそうとすると、ギアッチョに蹴り飛ばされ、ソルベとジェラートに踏みつけられていた。いじめられてるみたいだが、今のはメローネが悪いので止めてあげない。


｢ブチャラティ達はもうすぐ引き渡しに来るらしいからな。その時に読んでやればいいんじゃねぇか｣


ガシッと背後から肩を組まれた。そして、頭をくしゃくしゃ撫でられる。プロシュートは相変わらずスキンシップが激しい。


｢それ、リーダーから聞いたの？｣

｢しょうがねぇだろ？気になっちまったんだよ｣

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