Episode.159 ページ17
｢強引だったこと、許せとは言わない。しかし、こちらにも時間がなかった｣
｢どういうこと｣
｢ある物を追っていた仲間と連絡がとれなくなって、もうかなり経つ。その足取りを追ううちに、イタリアに辿り着いた｣
ある物、仲間、どれも具体性に欠けるが要するに人探しだろう。それならAに出来ることはない。イタリアに詳しい人間なら他にも五万といるのだから、Aはそう言おうとした。
｢その男の名をポルナレフという。知らないか？｣
ポルナレフ。今この男は、探し人をポルナレフと言ったのか。知らないも何も、その人はAに戦い方を教えてくれた人だ。身体がボロボロだったが、まさか連絡がとれなくなったことと何か繋がりが＿＿＿
｢……その反応、知っているんだな｣
｢知ってるし、お世話になった人です。でも、かなりボロボロでした｣
｢君が会った時はどこにいたんだ｣
｢北イタリアの地図にもない小さい村です。今もそこにいるかは分かりませんが｣
とにかく早く帰りたくて知っていることを全て伝える。しかし、彼は聞くだけ聞いて黙り込むばかり。いい加減にしろと言いたくなる。そっちに事情があることは分かったが、それはこちらも同じこと。何より、何も伝えずいなくなってしまったことが気がかりだった。
指輪に少し触れる。絶対に戻ると誓い、もう帰して下さいともう一度言う。しかし彼は、驚いたことにそれは出来ないとはっきり告げた。
｢何故です！？何が望みなんですか！！｣
｢君が今、パッショーネというギャング組織に入っていることは知っている。その組織のボス、彼がポルナレフと何か関係しているかもしれない｣
｢ボスが、ポルナレフさんと……？｣
ボスとポルナレフさんが関係しているとはどういうことだろうか。その関係とは、ポルナレフさんがパッショーネというそのものと関わっているのか、一個人として、ボスと関わりがあるのか。……そもそも、関係しているかもなんて曖昧な台詞、SPW財団ならすぐに調べられるだろうに。
｢パッショーネという組織の手によってあちこちが勢力下に置かれている。君はその一員だから知らないのかもしれないが、そのせいで中々情報が出回らない｣
だから、SPW財団の人でも手が出せないと、そういう事だろうか。だが、はっきり言って"だからなんだ"という話しである。
(もう日本は捨てた)
(ここが帰る場所だ)
(みんなの隣だけが、居場所だ)
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (
レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ！お互いお疲れ様です！いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした！！番外編楽しみにしていますね！！！ (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください＜(_ _)＞ (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！途中から見始めましたが本当に面白かったです！番外編楽しみにしてます！ (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年2月23日 20時
