幸福論 =4=

Episode.155 ページ13

トリッシュのことをブチャラティに話した。もちろん時期が来るまで他言無用の条件付きで。すると、ブチャラティも状況が飲み込めてきたらしい。リゾットの日記には様々なことが書かれていたが、ある日記の1行目にお互い息を飲んだ。


【○月☆△日
アバッキオが死んだと報告が来た。
しかし、我々は手を出さない。そのために、Aにこのことを伝えるのはやめておく。ボスにいよいよ近づいて来たが故の死だろう。しかし、彼はそのスタンドを使いボスへの手掛かり残してくれたとも言っていた。すぐ全員を集め、今後どのように介入していくか決める必要があるだろう】


｢う、嘘……｣

｢これは、今のところ確実に起こる未来なんだな？｣

｢そう。これを回避するためには、何故死に至ったのかを知る必要がある。ブチャラティ達の未来を読めばたぶん分かるはず｣


とりあえず、これはまだ先の未来だ。とにかくもっと日記を読まないと。アバッキオだけじゃない、他にも死ぬ人がいるかも知れない。そう思ったのだが、ブチャラティに止められた。


｢お前が隠そうとしていたこと、それはボスへの反逆やトリッシュのことだろう。それはもう分かった。だから、俺たちの未来を読んでくれないか。これ以上この日記を読んでも、恐らく詳しいことは分からないだろう｣

｢わ、分かった！｣


アバッキオが死ぬということは、ブチャラティ達にも間違いなく同様の危険が迫っているはず。赤いページを見ることになる。リゾット達を吐き出して、ブチャラティとアバッキオ、そしてミスタを食べた。


｢あんまり時間が経ってないみたいだけど、ちゃんと読んだのか？｣

｢ブチャラティが知りたかったことは知れたし、もっと重大な問題が出てきたから｣


日記を急いで開く。メローネとギアッチョには別の部屋へ移動してもらい、リゾットだけ残ってもらった。まずアバッキオの日記をめくる。パラパラとめくっていると、あった。血で汚れたような、真っ赤なページが。


｢この男は死ぬということか｣

｢とりあえず、ブチャラティとミスタも｣


内容の確認は後回しにして、結果だけを急ぐ。すると、ブチャラティの日記の最後は同じく赤いページで締め括られていた。ミスタは特にそういったページが見当たらなくて、でも安心はできなかった。









(ブチャラティ)
(そしてアバッキオ)
(フーゴやナランチャは……？)

Episode.156→←Episode.154

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す